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ガンダム Gのレコンギスタ
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  • 2030-09-18(Wed) 00:00:00
  • Category: 未分類

『サタディ・バチョン』(浜村淳)……土曜深夜、関西から暗い闇を越えて浜村淳がやってくる



土曜の深夜は『サタディ・バチョン』


習慣的に、深夜に起きていた初めての経験は、中学1年生(1984年)のころ。
翌日、学校のない土曜日の深夜。

ラジオ大阪でやっていた、『サタディ・バチョン』というラジオ番組を聴くためでした。
『サタディ・バチョン』の放送期間は1974~91年。
放送時間は時期により変動しましたが、わたしが聴いていた84~86年ころは、23:00~25:00。
今回、ネットで調べるまでは24:00~26:00とばかりおもっていたのですが、もちろんネットのほうが正しいでしょう。

司会は浜村淳(はまむらじゅん)。
京都出身のラジオパーソナリティー/映画評論家。
「浜村節」といわれる独特の口調で、一世を風靡(ふうび)しました。
「それでは(み)なさん、聞いてください」というとき「み」にアクセントをつけるなど、非常に抑揚がきいていてリズミカルで、気分良くその卓越した話術に引き込まれました。
「主人公が走る、走る、走る。殺人鬼が追いかける、追いかける、追いかける」といったような畳みかける口調もテンポ抜群で、芸術的な話術の才能で聴くものをぐいぐい引き込んでいきます。




『サタディ・バチョン』浜村淳……映画にはめっぽう強いが、アニメにはすこぶる弱い


コーナーは、映画紹介、日本史、アニメソングのリクエスト、怪談、時事など。

映画紹介は、あらすじと解説を名口調でじっくりと。
20~30分ぐらいかけて紹介していたでしょうかね?
場合によっては、結末までしゃべってしまうこともけっこうあったとか(たとえば『エンゼル・ハート』)。
作品そのものより、浜村淳のあらすじを聴いているほうがずっとおもしろいという意見も。

日本史は、『古事記』『日本書紀』などを物語風に紹介。
倭建命(やまとたけるのみこと)や有間皇子(ありまのみこ)、大津皇子(おおつのみこ)など、悲運に泣いた人物に焦点を当てていました。
地元の関西の歴史、とくに古代史に力を入れていた印象。

関西は昔からアニメラジオが強かったからか、浜村淳はアニメの門外漢だったようですが、アニメソングのリクエストコーナーや、年に二度ほど聴取率調査に合わせてアニメソングベストテンを開催していたようです。
(アニソンベストテンでは、『蒼き流星SPTレイズナー』OP「メロスのように」が2度連続で1位になったことがあるとか)
しかし、浜村淳にはアニメ知識がないため、アニメ雑誌『OUT』のパロディを真に受け本当のこととして紹介した「やらかし」もあったそう。
(『蒼き流星SPTレイズナー』のレイズナー(青い機体)は、ソ連で放映されたものはソ連の国旗の色である赤に機体カラーが変更されているとか)

ちなみに、代表作を多数もつ有名声優の故・水谷優子さんもリスナーだったようで、「いま、『マシンロボ』というアニメでレイナという役をやってます」というハガキが番組で読まれたこともあったそうです。
『マシンロボ クロノスの大逆襲』は86年7月から87年5月まで放送。
レイナ・ストールは作品のヒロインで、主人公ロム・ストールの妹、「妹ブーム」を巻き起こすほどの絶大な人気をほこりました。
レイナ人気をささえた理由の一つに、初々しく可愛い水谷優子さんの声が挙げられています。

浜村淳というと明るい印象がありますが、深夜という時間帯に合わせ声は低めに。
とくに、はなしの終盤は深夜の闇に消えていくように暗く締めくくっていました。
その口調が、土曜の深夜にミステリアスな雰囲気をかもしだしていました。




遠距離ラジオの音を拾うのは、海中の潜水艦の航行音をキャッチするように難しい


わたしが住んでいるのは関東の栃木。
『サタディ・バチョン』の放送局は関西のラジオ大阪。
つまりは、かなりの遠距離からやってくる電波を拾わなくてはならないわけです。
(中継地点があって、そこからの電波を受信していたのかもしれませんが)

とにかく、音を合わせるのがたいへんでした。
当時のラジオは、チューナーのダイヤルをまわして放送局の周波数に合わせます。
周波数はだいたいわかっているので、そこにダイヤルを調整します。
しかし、なかなか浜村淳の声が入ってこない。
ほかのラジオ番組が邪魔して、ラジオ大阪の電波にフィットしないのです。
まず、耳を澄まして浜村淳らしき声をキャッチしなければなりません。

まるで、海底にもぐる潜水艦をソナーでさがすように、ゆっくりと、慎重に、意識を聴覚に集中してダイヤルをまわします。
水中ではレーダー波の減衰がいちじるしくレーダーがつかえないため、ソナーで音を拾い敵を探知します。
わたしは、海中に棲息する潜水艦を逃すまいとする海軍兵士のように、ラジオから漏れる音に意識を集中しました。

耳には複数の他局ラジオ番組の音声。
トークあり、歌あり、ノイズあり。
ん?……これは?

浜村淳の声がやっと判別できました。
しかし、そこからがまた、たいへん。
この段階ではまだ、なにを言っているのか理解できません。
浜村淳がしゃべっているのは確かなのですが、そのはなしの内容までつかめない。
浜村淳の声をクリアにするため、つぎに、ラジオの場所を変えたり、ラジオの方向を変えたりします。

周波数は同じままでも、置き場所やラジオの方角により電波の受信状態が異なり、明瞭に聞き取れたり、まったく聞き取れなかったり。
土曜の深夜に、けっこう大きく重いラジカセを手にもっては部屋のなかを大移動、そのラジオの方角を変えるためにクルクル回転させるといった、めんどうくさい作業に時をついやします。

これで、なかなか良い音質になった……。
しかし、数分後には、まったく同じ周波数、置き場所、方角であるにもかかわらず、ふたたび受信状況が劣悪になることも。
そうなると、また、ダイヤル調整、部屋のなかを冒険、メリーゴーラウンドよろしくラジオを回転させる営みが。

気象条件などにもよるのでしょうが、日によって順調なときとそうでないときがあります。
順調なときは浜村節を心地よく落ち着いて堪能することができるのですが、そうでないときは2時間のうちのかなりを音合わせに忙殺されることになります。
夜が深まれば深まるほど、他局の放送が終了(かつては、いまのように深夜ぶっとおしの放送というのはそれほど多くはありませんでした)します、すると、音を拾うのもずいぶんラクになるのですが。

それでも聴きたかったのが、浜村淳の『サタディ・バチョン』でした。




土曜の深夜、多くの人々と闇に潜む者たちの頭上を越えて電波はやって来た


大阪から栃木にいるわたしまで、電波はさまざまな人生を送る多くの人々の頭上を越えてやって来ます。
その電波で、わたしは『サタディ・バチョン』を聴いていました。
どのような人たちの頭上を越えてきたのだろうか……というようなことを、中学生だったわたしは土曜の深夜に漠然と考えていたような気がします。

同時に、土曜の深夜の暗い闇のなか、息をひそめていた「なにものか」の頭上をも電波は飛び越えてきたのだろうな、とも。



スポーツエリートたちの栄光……「××高校の××だ!」(スポーツ漫画/アニメ)



スポーツエリート


漫画やアニメのスポーツもので、大会会場や会場入りしようとして歩いている登場人物が、ちょっと遠くのほうから「××高校の××だ!」とヒソヒソささやかれるシーンが、わたしはけっこう好きなんですよね。
「西高のお蝶夫人よ!」(『エースをねらえ!』)みたいな。
この場合、名の知れた強豪だからさわがれるわけです。
一目も、二目も、三目も置かれているわけです。
運動音痴なわたしには、とても無理。
だから、そうやってスポーツで一目置かれることに憧れがあるんでしょうね。

中学や高校だと、勉強の名門校でもこんなことありそうですね。
制服や校章から、「あいつ、××中じゃね?」「あの子、××高よ」みたいなのは。
中学は無試験の公立、高校は偏差値40前半の高校だったので、これまたわたしには無縁。

この満たされなかった想いが、憧れにつながっているのでしょうね。




栃木県某市のスポーツ名門高校


昨日(2019.6.11)、わたしの住む市内では最大のスポーツの私立名門校の近くをとおり、あらためてスポーツエリート学生への興味が。

この高校は勉強でも市内No.1なのですが、全国では無名。
その点、スポーツにおいては複数の競技で栃木県上位校の常連ですし、たまに全国大会でも上位に顔を出すことがあります。
野球やサッカーなど。
全国でもそれなりの、栃木県においてはまちがいなくスポーツのエリート名門校です。

市内を貫流する川沿いに自転車ではしっていると、川の向こうに川に並行して高校の建物がたちならんでいます。
瀟洒(しょうしゃ)でカラフルな建物の数々は、学歴エリート・スポーツエリートのきらびやかさを象徴しているよう。
どれだけの人が、その光景を目にして名門高校への憧れをいだいたことか。

高校周辺には、充実したスポーツ施設が。
たとえば野球場があります。
専門の。
観客席をそなえた野球場。
高校の野球練習場は、普通、校舎のグラウンドを区画して、サッカー部や陸上部などほかの部活とグラウンドを分けあうものですが、ここには校舎のグラウンドとは別の敷地に観客席つきの専門の野球場が設えられています。
両翼95m、中堅125m、観客席も広く、内野は土ですが外野は人工芝、照明も完備していてナイターも対応可能という充実ぶり。
高校関係者ではないのでなかには入れませんが、入口から見た野球場の外見だけでもその巨大さが視認できます。
スポーツエリートにのみ許されたぜいたくといった感じ。

また、この高校には他県出身のスポーツ特待生も多いのでしょう、寮の建物もたちならんでいます。
地域地域では「怪物」呼ばわりされていた猛者たちが、おなじ屋根のもと寝起きをともにしているわけです。
さながら、怪物密集地帯。
隣の芝生はやけに青く見えます、運動音痴のわたしには望んでも手のとどくことのないスポーツエリートたちの世界がそこにはあります。

寮の前にはバス。
かつて目にしたのは、ゴルフ部専用のバスでした。
練習場への往復用なのか、遠征用なのか、車体に「××高校ゴルフ部」の文字が。
わたしの通っていた高校には、部活で共用するバス一台すらありませんでした。
このちがいが、エリートが受ける優遇のあらわれの差の一つなのでしょう。




栄光のスポーツ漫画/アニメのエリートたち


『エースをねらえ!』『ホールインワン』『キャプテン翼』『はしれ走(かける)』『甲子園の空に笑え!』『SLAM DUNK』『テニスの王子様』『アイシールド21』『おおきく振りかぶって』『黒子のバスケ』『弱虫ペダル』など、人々を魅了しつづけるスポーツ漫画/アニメ。
ほとんどの作品は、主人公とライヴァルたちの双方、あるいはいずれかがスポーツエリートたちです。
それも超がつく。
ですから、必然的にこのセリフがささやかれます。
「××校の××」

こう言われるのは、さぞかし、良い気分だったでしょうね。
でも、これに馴れすぎると、あとあと大変なことになるかもしれません。
いつまでも、スポーツエリートのままでいられる保証はどこにもないわけです。
昔はよかった、となりかねない。
ただ、そんな「過去の栄光」に囚われた元エリートが主人公のスポーツ漫画/アニメも観てみたい気はしますが。


『巨神ゴーグ』(1984)……大地の鳴動の向こうに「神々」である異星人はいた



巨神ゴーグ


巨神ゴーグ』(1984)

13歳の少年・田神悠宇(たがみゆう)は、亡き父が研究していた秘密を追って、南太平洋のオウストラル島へ。
同行するのは、14歳の少女ドリス・ウェイブと、その兄で悠宇の父・田神博士の弟子であるトム・ウェイブ(ドクター・ウェイブ)。

オウストラル島は、南太平洋、サモア諸島東南2000キロに浮かぶ島。
旧島と新島があり、旧島は古来より陸地として存在、島民も居住しており、かたや、新島は3万年前に海の底にもぐったものが、近年ふたたび再浮上した島。
この無人のオウストラル新島において、世界的コングロマリットのGAIL(ガイル)は各所で大規模な採掘作業をおこなっていた。

GAILは「世界を支配できる秘密(宝)」を手に入れようとしていた。
この秘密を独占したいGAILは、邪魔者を抹殺することもいとわない。
悠宇たちもまた、GAILのターゲットであった。

生命の危機がせまるなか、悠宇たちはオウストラル旧島の島民から神の使いとあがめられる青い巨人に出会い、たすけられる。
ゴーグ
全高13.5m。
言葉はしゃべらないが、みずからの意思で行動するロボット。
硬い装甲と底知れないパワーは、GAILの私設軍隊の有する最新の近代兵器である戦車や戦闘ヘリコプターをまったく寄せつけなかった。
悠宇たちはゴーグに守られながら、オウストラル島の秘密を探し求める。


(本稿は、おもしろくてタメになる片Pさんの『巨神ゴーグ』のブログの記事に触発されたものです。この場を借りて、感謝申し上げます)




オウストラル島の宇宙文明


オウストラル島の秘密とは、宇宙文明でした。
3万年の太古、故郷の星を失った異星人がオウストラル島に漂着。
新島を沈め、そこで眠りについた異星人たち。
しかし、3万年ぶりの新島の浮上とともに、人間たちの欲望に火がつきました。
世界を支配できる秘密=異星人文明は、是が非でも手に入れたい「夢の宝」でした。

ゴーグも、異星人の超文明の産物です。
ゴーグだけでも、最新の近代兵器で武装したGAILの私設軍隊はまったく歯が立ちませんでした。
では、異星人の超テクノロジーを、そっくりそのまま獲得したあかつきにはどうなるのか……。
答えは、火を見るより明らかです。
GAILが宇宙人文明を手に入れるのを阻止しなければ、地球は暗い歴史を歩むことになるでしょう。




大地の鳴動の向こうに神々は眠る


ゴーグは、旧島の島民から「神の使い」と呼ばれ、尊崇を受けています。
この作品では、宇宙人たちは「神」のごとき存在として描かれています。
人間の理解のおよぶべくもない文明をもった「神」のごとき存在。
物語終盤に登場する、異星人のリーダーであるマノンも、感情の起伏の少ない「神」のごとき超然とした異星人でした。

この「神々」の「宮殿」のありかについて、『ゴーグ』ではじつに「神々の居場所」にふさわしい伏線が張られています。

3万年前、異星人たちは、未熟な地球文明が成熟して自分たちと共存できるようになるまで眠りにつくことを決めました。
その眠り……冷凍睡眠の場所は、オウストラル新島の奥深く。
火山の地下でした。

異星人たちも、火山の地下遺跡も物語終盤まで登場しません。
かたや、物語の序盤から、どこから聞こえてくるのか不明な、低く、くぐもった大地の発する鳴動がオウストラル島全体に鳴り響いていました。
神秘的なような、気味悪いような、正体不明の鳴動。

この不気味な音が、じつは、異星人の眠る地下遺跡から火山の隙間を縫って外にもれたものであることが物語終盤にあきらかになります。
悠宇たちも我々視聴者も、知らず知らずのうちに異星人たちの遺跡から発せられた「神の声」を耳にしていたのです。




いまも眠る宇宙から来た「神々」


思い出をだいなしにしたくないので、思い出深いアニメやマンガなどを気楽に観られない・読めないという癖(へき)がわたしにはあります。
一度なにかのきっかけがあれば、そのあとは繰り返し観る・読むことができるのですが、テレビアニメのなかで7~10番目前後くらいに好きな『巨神ゴーグ』にはそのきっかけもなく、ほぼ本放送(1984)以来一度も観ていません。
ですから、地鳴りの正体を知ってからさかのぼって作品を見返し、その大地の鳴動の音を聞くといったことはしていません。

しかし、不気味な地鳴りが得体の知れない異星人たちのもとへつながっていることを想像しただけで、わたしは快い戦慄をおぼえます。
雷は「神鳴り」で、雷鳴は神の存在を推知させました。
たとえば、ギリシア神話においては、雷は主神ゼウスの武器でもあるのです。
かつてのギリシア神話が流布していた文化圏に住む人たちのなかには、とどろく雷鳴の向こうにゼウスを想像し恐怖していた人たちもかなりの数いたでしょう。
多くの文化圏で、雷は神の起こすもの、轟音を響かせる雷鳴の向こうには神々がいることを想起させました。

『ゴーグ』の場合、大地の鳴動の向こうに、「神々」にひとしい異星人たちがいたのです。

これは、監督・企画・原作・キャラクターデザイン・ロボットデザイン・作画監督・絵コンテなどを担当した安彦良和は狙っていたとおもいます。
安彦良和は神話・伝説などに知悉(ちしつ)しています。
漫画家でもある安彦良和は、ギリシア神話に材を取った『アリオン』をはじめとして、日本神話などをモチーフにした『ナムジ』『神武』『蚤の王』『ヤマトタケル』などを世に送り出しています。
雷鳴と神との関係を知っているであろう安彦監督は、『ゴーグ』では大地の鳴動と「神」である異星人を関連させたのではないでしょうか。

大地の鳴動の向こうに「神」である異星人がいる、そのことに思いをめぐらすと、いつも神秘的な酩酊感につつまれます。
遠方でとどろく雷鳴や、遠方からの不可思議な物音の向こうに、わたしはいまでも太古の昔に地球に漂着したマノンたち異星人を想像します。