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『機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令』5 ゲームブックあらすじ/解説(『機動戦士ガンダム0087 ジェリド出撃命令』)



■目次
1. バックランド基地
2. RGM-79-R ガンダム・コピータイプ、MS-14S ゲルググ
3. MAX-07/MAX-11 ドゥラ/ドゥーラ
4. さようなら、ルリア
5. ビクトリーロール
6. ガンダム/(『機動戦士Zガンダム』ヘ)


1.バックランド基地
バックランド基地を目指し、北へ。

基地が見えてくる。
ウェイブ・キャッチャーからの電力が供給されていないため、基地の防衛システムは沈黙したままだった。

着いた。
やっと、最終目的地に着いた。
巨大なバックランド基地が、ジェリドの前に聳え立っている。

ジェリドはハイザックを窪地に隠すと、拳銃と、なにかのときのためにランドムーバー、赤外線ゴーグルを携帯してハイザックを降りた。
ランドムーバーはイヌイットの少女から渡されたものである。
ランドムーバーには、イヌイットのお守りがついている。

レーザー通信で、「グラーフ・ツェッペリン」にバックランド基地の防衛システムが沈黙したことを知らせなければ。
レーザー通信施設の位置は頭に入れてある。

ジェリドは、非常口から潜入する。

ドアにカギがかかっている。
拳銃の台尻でドアを叩き開ける。

その音を聞きつけたか、通路の奥から警備兵がやってくる。
警備兵と交戦。
警備兵を仕留める。

もう一人、警備兵がやってくる。
警備兵と交戦。
警備兵を仕留める。

基地の中へ。
駆ける。

上下にのびるシャフトがあった。
レーザー通信装置は上の階にある。
この中を進めば、エレベーターや非常階段よりも敵に気づかれる可能性は低いだろう。

ジェリドはランドムーバーでシャフトの中を上昇する。

しかし、途中で燃料が切れる。
お守りを外し、ランドムーバーを破棄する。

目の前にドアがある。
ドアを開けると、薄暗い廊下に出た。

赤外線ゴーグルをはめてみる。
旧ジオン公国のエースパイロットだった男がくれたものだ。

赤外線センサー。
いたるところに、赤外線センサーが張られている。

赤外線センサーをよけながら、ジェリドは通路を進む。

階段。
通信室に行く階段があった。
ジェリドは階段を昇る。

昇りきると通信室。
警備兵が一人、そこにはいた。
警備兵と交戦。
警備兵を仕留める。

通信室に駆け込む。
そこに、直径30センチほどの円筒の機械があった。
通信用レーザー送信機である。
グラーフ・ツェッペリンの座標にレーザー通信を行う。

しかし、返事がない。
なんということだろう。
ここまで来たのに、任務遂行が不可能になるとは。


2. RGM-79-R ガンダム・コピータイプ、MS-14S ゲルググ
ジェリドは基地からの逃走に移る。

とある場所のシャッター。
シャッターが……。
開いた。

そこに2機のMS。
……ガンダムとゲルググ。

RGM-79-R ガンダム・コピータイプ
MS-14S ゲルググ

MSには、それぞれ、アムロシャアの戦闘能力をインプットされた強化人間が搭乗している。
(バックランド基地は、極秘裏に強化人間の研究をしている。
その成果の一つである。
ただし、戦闘能力をインプットするなどということが可能なのか?)

しかも、基地の外の窪地に隠したハイザックがそこに用意されていた。
まったく意味がわからない。

しかし、ジェリドはハイザックで戦うしかない。
乗り込むと、機体チェック。
機動値もハイパーライフルの弾丸も完全に回復している。
意味がわからない。

まずは……。

「MS-14S ゲルググ
機動値:13
装甲:C
(機動値の高さは、近代化改修されたものだからだろう)

武器は、ビームナギナタ。

シャア・アズナブルの能力をインプットした強化人間がパイロット。

しかし、コピーはコピーでしかないのか……。
ゲルググと対戦。
ゲルググ撃破。

次なる敵は……。
「RGM-79-R ガンダム・コピータイプ
機動値:15
装甲:B
(機動値、装甲、ともに高い)

武器は、ビームサーベル。

アムロ・レイの能力をインプットした強化人間がパイロット。

(それにしても、RGM-79-Rという型式が気になる。
ガンダムタイプなのに、RXではない。
RGMである。
ジム系のR型であるジムIIを改修してRX-78の性能に近づけたともいうが、詳細はまったくの不明である。

ジムIIベースにしては、相当な高性能機。
装甲をガンダリウムにして、内部も入念な改修を施したのか?

ジム系から改修したガンダムタイプには、RX-121 ガンダムTR-1[ヘイズル]がある。(『ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに』)
「RGM-79Q ジム・クゥエル」をベースに、ガンダムタイプの頭部と機体各部に強化を施したMS。
ガンダムTR-1[ヘイズル]は、ティターンズの次期主力MS開発計画の一環として開発された。
RGM-79-Rも、次期主力MS開発計画の一環なのだろうか?
それとも、RGM-79 ジムにとってのRX-78 ガンダムのような、量産期を開発するための試作機/テストベッドなのだろうか?)

ハイザックとガンダム・コピータイプが対峙する。
そのときだった……。

ルリア……。

ガンダムを目の前にして、ジェリドは想い出した。

ガンダムの写真集
湖畔
アイルランド
幼い少女と少年
長い髪の少女

ジェリドが少年の頃、観光でアイルランドを訪れたときだった。
そこで出会った長い髪の少女と、ガンダムの記録写真集を一緒に見て「なんてかっこいいんだろう」と話し合ったことを……。
少女は湖のほとりに住んでいた。
名前を「ルリア」といった。

そのルリアに、イヌイットの少女は良く似ている……。

ルリア……。

ガンダム・コピータイプと対戦する。
ガンダム・コピータイプ撃破。


3. MAX-07/MAX-11 ドゥラ/ドゥーラ
ここはドーム状の建物である。
その壁面からビーム砲が多数、出現した。

全砲塔が、ハイザックに狙いを定めていた。
トラップだ。

あまりに多い。
多すぎて、よけきれないだろう。
ジェリドは、死を覚悟した。

そのとき、ドームの天井が崩れた。
ビーム砲が破壊された。

エマカクリコンのハイザックが現れた。
じつは、グラーフ・ツェッペリンは、ジェリドのレーザー通信を受信していた。
しかし、武装勢力のMSM-10 ゾックの攻撃を受け、グラーフ・ツェッペリンの送信装置が破壊されていた。
受信はしたが、確認の返信を送ることができなかったのだ。

すでにバックランド基地の大部分は抑えているという。
ケルベロス」は取り戻した。
グラーフ・ツェッペリンは、バックランド基地北方近傍のコンツェビュー海峡沖まで侵攻している。
RGM-79-RやMS-14Sと戦っている最中に、ジェリドの知らぬところでオペレーションは着々と進展していたのである。

ジェリドたちは、今回のテロ事件の首謀者の居場所を探ることにした。
武装勢力の指揮官は、いまだ健在である。

そのときだった。
地下から、なにかが迫り上がってくる。

大きい。
あまりにも大きい。
MSなのだろうか?
それにしては、大きすぎる。

ハイザックのコンピューターが推測した全高は70mである。
(データ上は、全高68.3m)
MSM-10 ゾックは全高23.9m。
MA-08 ビグ・ザムは全高59.6m。
AMX-002(AMA-002、AMA-X2) ノイエ・ジールは全高76.6m。

「MAX-11(MAX-07/MAX-09) ドゥラ(ドゥーラ/ドーラ)」
(87年発売ケイブンシャ版では「MAX-07 ドゥラ/ドゥーラ」。
89年発売バンダイ版では「MAX-11 ドゥラ」)

巨大MA(モビルアーマー)。
(MAXのMAは「モビルアーマー」、Xは「試作機」の意味だろうか?
ただし、87年ケイブンシャ版ではMAではなく「超重モビルスーツ」に分類されている)
全高 68.3m
本体重量 685.7t
(全高/本体重量ともに87年ケイブンシャ版による)

ジオン公国が、一年戦争終戦間際、「MA-08 ビグ・ザム」と同一コンセプトのもと開発したモビルアーマー(87年ケイブンシャ版では「重モビルスーツ」)。
試作機一機のみが製作された。
ビグ・ザムの敗因を分析し、接近戦用兵器(ビームサーベル)を装備。
機動砲台的運用が、もともとの開発コンセプト。

武装:
高出力ビーム砲 3門(胸部の可動式装甲が開くと現れる)
対空用小口径レーザー砲 5門
ビームサーベル・マニュピレーター 2本

顔らしきものはなく、最頂部に巨体に似合わぬ小さなモノアイが一つ。
足とおぼしき足はなく、体を支える2基の支柱めいたものがある。
腕部もなく、ただ、腹部から接近戦用のビームサーベルを先端に固定させた2本のマニュピレーターが突き出ている。

胸部に内蔵された3門の高出力ビーム砲は、部隊を一つ消滅させるほどの威力を持つ。
ビームサーベル・マニュピレーターは、PMX-003 ジ・Oの隠し腕のような外観をしている。
ビグ・ザムと同様、Iフィールド・バリアーがあるので、ビーム兵器は効き目が大幅に減殺される。

乗員は通常4名、ただし1名でも操縦可。
(ビグ・ザムは通常3名で、1名でも操縦可)

終戦直前、ジオン公国みずからの手により破壊されたと連邦の資料には記載されていたが、それは偽りだったらしい。

機動値:20
装甲:A

(87年ケイブンシャ版と89年バンダイ版でイラストがまったく違う。
89年バンダイ版では、ビグ・ザム的な外観。
87年ケイブンシャ版は、ジ・Oに似た外観をしている。
だが、脚部がバーニアユニットになっている。
腹部から突き出た隠し腕のようなマニュピレーターはあるが、肩部から続く腕部はない。
ちなみに、87年ケイブンシャ版のイラストは、ジ・Oのデザイナーである小林誠が担当している)

ド・ダイ改に乗ってMS増援部隊がやってくる。
数的有利は決定的だった。
しかし……。

ドゥラの胸部装甲が開く。
高出力ビーム砲3門が突き出る。
高出力ビーム砲が放たれた。
ビームを放つと巨大な火球が形作られた。
火球はキノコ雲に変わる。

火球に呑み込まれて、MS増援部隊は一瞬のうちに灰燼に帰した。
圧倒的な火力だった。

沖にいる洋上のグラーフ・ツェッペリンをも、火球は呑み込もうとしていた。
グラーフ・ツェッペリンは、危ういところを辛うじて逃れた。
しかし、いつまでも逃げ切れるものではない。

ジェリドエマカクリコンに戦慄が走る。
(それは、一年戦争のソロモン攻略戦のとき、連邦の将兵がビグ・ザムに抱いた戦慄と同様のものかもしれない)

ジェリドエマカクリコンは、グラーフ・ツェッペリンを護るために戦うことを決意した。

ジェリドは「重装ビームキヤノン砲 グスタフ」と「ハイパーライフル」。
エマは「ビームライフル」。
カクリコンは「バズーカ」。

ドゥラと交戦する。
ジェリドは、「グスタフ」の残り2発をドゥラに叩き込む。
重装ビームキャノン砲2発をもってしても、Iフィールド・バリアーを張り巡らせたドゥラは沈まない。
しかし、ダメージは着実に与えた。
半壊といったところか。

ただし、そのあとが続かない。
ハイパーライフル、ビームライフル、バズーカでは、ダメージなしか、微々たるものしか与えられない。

ジェリドエマカクリコンは白兵戦を仕掛ける。
ドゥラは、腹部から突き出た2本のビームサーベル・マニュピレーターで迎え撃つ。

ドゥラと交戦する。
ドゥラを撃破。

ドゥラは炎を噴き上げ、後方に倒れた。
爆発四散する。


4. さようなら、ルリア
ジェリドエマカクリコンは戦い終えて、MSを降りた。
(このときの3人を包みこんでいるのは、勝利の満足感だろうか、生命を燃焼させて戦った過度な緊張が解けたことによる虚脱感だろうか?)

3人の前に、ホバー上陸用装甲車が止まる。
兵士たちが降りてくる。
みな、20歳前後の若者たちだった。

その中で一番階級が高いと思われる青年が進み出て、ジェリドたちに敬礼した。
アラスカ第18辺境警備隊所属のトム・クルージング上等兵だという。

彼らは、イヌイットの人々を避難させていたという。
イヌイットの人たちの中に、あのイヌイットの少女もいた。

ジェリドたちは、事後処理をトム・クルージング上等兵に任せた。

グラーフ・ツェッペリンへの帰還の刻だ。

ジェリドは心の中でつぶやいた。
さようなら、ルリア


5.ビクトリーロール
グラーフ・ツェッペリンのブリッジでは、バスク・オムが湯気の立つコーヒーのカップを手にしていた。
ジェリドの労をねぎらおうと待っている。

ジェリドの搭乗するド・ダイ改が、グラーフ・ツェッペリンの甲板上空に飛来した。
英雄の帰還だった。

すぐさま、ジェリドはド・ダイ改でビクトリーロールを演じる。
(ビクトリーロールとは、敵機を撃墜し、無事に帰還した戦闘機乗りがそれを記念して行うもの。
帰還時、航空基地、あるいは航空母艦の上空で、エルロンロールを打つ。
エルロンロールとは、やや機首を上げ、右か左いっぱいにエルロン(補助翼)を当てて横転する曲技機動のこと)

凄まじい衝撃波がブリッジを襲う。
バスクは、手にしていたコーヒーをコートにこぼした。

わずかに微笑みを浮かべ、バスクは独りつぶやいた。
「たいした男だ……」


6.ガンダム
/(『機動戦士Zガンダム』へ)
ジェリドエマカクリコンの3人は、バスクから卒業を言い渡された。
3人は、中尉に任官された。
正式なティターンズの一員にもなった。

2か月後、宇宙にあるティターンズの拠点、グリーンオアシスに上がることになった。
そこで、ティターンズのシンボルとなる最新鋭機 RX-178 ガンダムMk-IIのテストパイロットを務めることになった。

少年のころからの憧れのガンダム
ルリアと記録写真集をともに見たガンダム……。


U.C.0087年1月12日、グラーフ・ツェッペリンは通常航路へと戻った。


『機動戦士Zガンダム/第一話 黒いガンダム』につづく(かもしれない) 



『ジェリド出撃命令』序へ
『ジェリド出撃命令』1へ
『ジェリド出撃命令』2へ
『ジェリド出撃命令』3へ
『ジェリド出撃命令』4へ


(参考文献:『総解説 ガンダム事典』講談社、『ENTERTAINMENT BIBLE.1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、『機動戦士ガンダム 一年戦争外伝 データコレクション3』メディアワークス、『機動戦士Zガンダム 上巻 データコレクション4』メディアワークス、『機動戦士Zガンダム大辞典』ラポート、『ガンダムの常識 一年戦争モビルスーツ大全』双葉社、『ガンダムの常識 モビルスーツ大全 Z&ZZ&逆シャア編』双葉社)

『機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令』4 ゲームブックあらすじ/解説(『機動戦士ガンダム0087 ジェリド出撃命令』)



■目次
1. RMS-179 ジムII、RGC-80 ジムキャノン
2. M4A-3 ザラマンダー、RMS-106 ハイザック
3. C-130 フライングコンテナー、FF-3 セイバーフィッシュ
4. MS-09F2 ドム寒冷地仕様(ブリザード・ドム、ドム・ブリザードタイプ)


1. RMS-179 ジムII、RGC-80 ジムキャノン
傍受した無線は、最後のウェイブ・キャッチャーのあるポイントM16-Y19が、旧コンビナートの東20kmにあることを示唆していた。

旧コンビナートは半島南端。
いまいる針葉樹林地帯からは西南の方角。
さほど離れた距離ではない。

ジェリドは、旧コンビナートの東方20kmの地点を目指す。

コンビナートは、操業を停止していた。
廃墟となった工場跡地が空しい。

念のため、造船工場に行ってみる。
周囲をドックに囲まれている。
ドックの壁に閉じ込められ、闘技場のような圧迫感があった。

そのとき、ドックの壁が崩れた。

壁の向こうから2機のMSが出てくる。
RMS-179 ジムII
RGC-80 ジムキャノン

MSは傷みが激しいようだ。

まずはジムII。
機動値:10
装甲:C

ジムIIと交戦する。
ジムIIを撃破した。

ジムキャノンは、キャノン攻撃ではなく、素手で立ち向ってきた。
機動値:6
装甲:C

ジムキャノンと交戦する。
ジムキャノン撃破。

次いで、コンビナートの港に向かう。
そこには大型「ホバートラック」があった。
ホバー上陸用装甲車だ。
荷台を調べると、MS用の弾薬と整備用部品があった。
ハイパーライフルに弾薬を補給する。


2. M4A-3 ザラマンダー、RMS-106 ハイザック
最後のウェイブ・キャッチャーがあるかもしれない、旧コンビナートの東へ向かう。
ポイントM16-Y19はどこか?

平原地帯に入った。
広大な平原。

旧コンビナートから、およそ20km。

そして……。
100m近くある巨大な銀色の鉄塔。
ウェイブ・キャッチャーだ。
最後の、ウェイブ・キャッチャー。

ウェイブ・キャッチャーに向かう。
そのとき、ウェイブ・キャッチャーの方角から、唸るような低い音が聞こえてくる。

戦車?
重ミサイルホバークラフトだった。

「M4A-3 ザラマンダー
重装甲の機体に、ホバーノズルを装備した戦闘車輛。
車体上部に大型ミサイルポッド。
そのミサイルは、MSを相手にしても充分に伍してゆける。

(ミサイルホバークラフトといえば「ファンファン」が有名。
両脇左右下部にあるファンによってホバー走行。
両脇左右上部の5連装ミサイルポッドの無線誘導ミサイルが武器。
ジャブローで、マチルダ・アジャン中尉の婚約者ウッディ・マルデン大尉が搭乗した機体。
シャア・アズナブル大佐のMSM-07S ズゴックのメインカメラを破壊したが、その代償に撃墜され戦死してしまった)

機動値:6
装甲:D

ザラマンダーと交戦。
ザラマンダー撃破。

さらに最後のウェイブ・キャッチャーとのあいだに、人型の巨人が立ちはだかる。

「RMS-106 ハイザック
濃紺色のハイザック。
連邦所属だった機体か?

武装はハイパーライフル。

ハイザック VS ハイザックだ。

ハイザックと交戦。
ハイザック撃破。

ジェリドはウェイブ・キャッチャーに近づく。
銃弾を放つ。
最後のウェイブ・キャッチャーを破壊した。


3.C-130 フライングコンテナー、FF-3 セイバーフィッシュ
あとはバックランド基地から、レーザー通信で任務遂行の報告を入れなければならない。
高出力ビーム砲は、エネルギー源を絶たれて沈黙したはずだ。
しかし、どれだけのMSやその他の兵器が行く手を遮るだろうか。

北へ……。
バックランド基地へ。

しばらく行くと、東の林の中に小さなコンテナがあるのを発見した。
調べると、高機動バックパックを発見した。
MSの機動力を飛躍的に向上させる。
移動所要時間を半分に短縮できる。
連邦に登録されているすべてのMSに取りつけることができる。

高機動バックパックをハイザックにつける。
さすがに速い。

しばらくすると、不時着している輸送機に出くわした。

「C-130 フライングコンテナー
ミデア大型/中型輸送機(一年戦争時には大型輸送機に分類されていたが、のちに中型に分類しなおされた)の改良型。
ミデアは全長45mだが、フライングコンテナーは全長60mの大型輸送機である。

調べてみるかジェリドは迷う。
しかし、フライングコンテナーは爆発した。
調べていたら危ないところだった。

爆発の際、一個のコンテナが機外に吹き飛ばされてきた。
コンテナには「汎用ヒート兵器」とある。
開けてみると、「汎用型ビームサーベル」が数本納められていた。

通常、ビームサーベルはMS本体から電力を供給するため専用機でないと使用できない。
汎用型ビームサーベルは、どの機種でも使用できるよう内部電源型に改修したものだ。
とはいえ、すでにハイザック専用のビームサーベルを所持しているので必要のない代物だった。

さらに北へ。
ハイザックは氷河地帯に入る。
ここを抜けると、スワード半島の東北にあるバックランド基地はすぐそこだ。

パールトロン氷河。
巨大な氷河だった。
旧世紀の西暦19世紀末、探検家のサエ・キケンゾが発見したという。

しばらく氷河を進むと、突然、足元が崩れた。
ジェリドは高機動バックパックを全開にし、ジャンプして難を避けた。

そのとき、ハイザック目掛け、戦闘機が降下してくる。

「FF-3 セイバーフィッシュ
コア・ファイター・バリエーションの一機種。
大気圏内における高高度戦闘能力と宇宙戦闘能力を兼ね備える。
大気圏内での戦闘には一定の評価。
宇宙においては、姿勢制御に化学燃料ロケットを用いたため、最大戦闘推力時間が短く、一撃離脱戦法を取らざるを得ない。

武器は対地ロケット弾。

機動値:4
装甲:E

セイバーフィッシュと交戦。
セイバーフィッシュを撃墜。


4. MS-09F2 ドム寒冷地仕様(ブリザード・ドム、ドム・ブリザードタイプ)
すぐさま、次の異変が。
ハイザックのセンサーが機影を捉える。
北の方角からなにかが急接近してくる。

ドムだ。

「MS-09F2 ドム寒冷地仕様(ブリザード・ドムドム・ブリザードタイプ)」
武装は重バズーカ砲とヒートサーベル。
ホバーノズル装備。
寒冷地用に各部が改修されている。
ドムの中でも最強のタイプとの評価もある(ドム系最強とされるドワッジとの優劣関係などは不明)。

一説には、Fはヒュンフのこととも。
MS-09F ドム・ヒュンフは、ドム系MSのなかでもかなりの高性能を誇る。
ドム・ヒュンフは改修/換装しやすい機体であるため、さまざまなバリエーションがある。
MS-09F/TROP ドム・トローペンは、ドム・ヒュンフの熱帯・砂漠用の機体である。
トローペン(Tropen)はドイツ語で熱帯の意味。
これに対し、ドム・ブリザードタイプは寒冷地仕様のドム・ヒュンフであるという説がある。
型式もMS-09F2のほかにMS-09F/Blidと記載するものもあり、そうなるとMS-09F/TROPに似た型式になる。
真偽は定かではないが、ドム・ヒュンフやドム・トローペン、ドワッジなどと並ぶドム系上位機種なのは間違いないだろう。

(2009~2013年までの『MSV-R』で、「MS-09 ドム 寒冷地仕様」が登場したが、MS-09F2との関連は不明)

ジェリドは、逃げることにした。
迂闊に戦ってはならない相手のような気がしたのだ。
スロットルレバーを一気に「緊急最大加速」に叩き込む。
いったん西に向かい寒冷地仕様のドムを巻き、そのあと北に針路を取ってバックランド基地を目指すことにした。

MS-09F2は追ってこない。

ジェリドのハイザックは氷河地帯を抜けて荒地に入っていた。
北へ行けばバックランド基地がある。

MS?
しばらく進むと、MSが折り重なるように倒れている光景がジェリドの目を捉えた。
戦場跡のようだ。

調べてみると、上限10発まで装弾可能なビームライフルの弾倉があった。

そのときだった。
砲弾が、ハイザックの右側を掠める。

次いで、砲弾が胸部に命中した。
すさまじい衝撃だった。
ハイザックが損傷する。

砲弾の飛来してきた方角に、ホバー走行で急接近するドム・ブリザードタイプの姿があった。
後を尾けられていたのだ。

ドム・ブリザードタイプの右肩には吸血コウモリのエンブレムが。
「ジオンの吸血コウモリ」ことノボトニー大佐の機体であった。
ノボトニーは、ジオンのエースパイロット。
ヨーロッパ戦線で、幾多の連邦軍兵士を死に追いやった冷酷無比のエースパイロットであった。
連邦の兵士たちが恐れとともに名付けた「ジオンの吸血コウモリ」。
その二つ名を気に入り、わざわざ愛機の右肩に吸血コウモリのパーソナルエンブレムを入れるような不逞の徒であった。

(ちなみに、『MSV-R』の「MS-09 ドム 寒冷地仕様」の肩には「バウンティハンター」のパーソナルエンブレムが施されている。
バウンティハンターとは、ヘルメットをかぶったドクロを図案化したもの。
ドクロをプリントした服などを売っているバウンティハンターが元ネタか?
搭乗者は不明)

機動値:15
装甲:B
(機動値、装甲ともにハイレベル)

古参のエースと誕生したばかりのエースの対決。
極寒の地で、新旧エース同士の対決が始まろうとしていた。

ブリザード・ドムと対戦。
ドム 寒冷地仕様を撃破。

「ジオンの吸血コウモリ」は、若きエースパイロットに極寒の大地で撃破された。
誕生したばかりのエースパイロットが、一エースパイロットを「過去のエースパイロット」へと押しやったのである。
しかし、その誕生したばかりのエースパイロットも、いつ「過去のエースパイロット」へ押しのけられるか知れたものではなかった。


『ジェリド出撃命令』5へ

『ジェリド出撃命令』序へ
『ジェリド出撃命令』1へ
『ジェリド出撃命令』2へ
『ジェリド出撃命令』3へ


(参考文献:『ENTERTAINMENT BIBLE.1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、『GUNDAM FACT FILE』ディアゴスティーニ、『機動戦士ガンダム 公式百科事典』講談社、『機動戦士ガンダム MSV-R ジオン編』角川書店)


『機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令』3 ゲームブックあらすじ/解説(『機動戦士ガンダム0087 ジェリド出撃命令』)



■目次
1. ザクタンカー
2. イヌイットの少女
3. MS-14A ゲルググ
4. RMS-117 ガルバルディβ
5. RMV-05 ガンタンクホバー
6. ORX-003 ドミンゴ


1.ザクタンカー
ジェリドは北上した。
スワード半島の中央近くを北上している。

アラスカの針葉樹林地帯。
樹間を縫うようにして、ハイザックを走らせる。

そのとき、木々の隙間に放置されている機械が目に留まった。
乗り物のようだ。
近づいてみると、それは……。

ザクタンカー
一年戦争後半にジオン公国が運用したMS支援用大型トレーラー。
ザクタンカーの呼称は、前部コクピットの形状がMS-06 ザクIIの頭部に似ているところから付けられた。
ザク専用のトレーラーというわけではない。
ザクに「顔」が酷似しているのが意図的に似せたのか、偶然似ていたのかは不明。
主武装は、コクピット横にマウントされた戦艦クラス(戦車クラスとも)のビーム砲。
このビーム砲は、キャリアーに乗ったMSが武器として使用することも可能。
U.C.0088年のアフリカの事例でいくと、MS2機を乗せても高速で移動できるくらい高出力の馬力を有していた(『ZZ』)。

旧ジオン公国のMS輸送用トレーラーである「サムソン」のように、コクピットだけが分離してMS支援などをおこなえるかどうかは不明。
(ちなみに、サムソンのコクピット部分を「サムソントップ」という)

バックランド基地には、現在、改良型が少数だけ配備されているという。

ザクタンカーは各部に損壊があり、乗り捨てられたようだ。
調べてみると、貨物コンテナ(キャリアー)にホバーユニット(高機動システム)が放置されていた。

高機動システムは、ブーツのようにMSの両脚にセットし、移動力と機動力を向上させる。
所要移動時間を半分に短縮できる。
戦闘時や緊急時の逃亡やジャンプにも威力を発揮する。
対応機種は、現時点U.C.0078年に連邦に登録されているすべてのMSであった。

ジェリドは、ハイザックにホバーユニットを装着した。

速い。
スピードがいままでの2倍である。


ジェリドは、北に進む。
半島の北部地区へと足を踏み入れる。
半島の北部中央地域である。


イヌイットの村があった。
なにか手がかりが得られるかもしれない。

ジェリドは銃を携帯してハイザックを降りた。
村に向かってしばらく歩く。

そのときだった。
武装集団の1兵士に見つかってしまった。

ジェリドはとっさに銃を抜き、引き金を引いた。
やらなければ、やられる。

銃弾は兵士を貫いた。
兵士は死んだ。

ジェリドは、初めて、生身の人間を殺してしまった。
生身の人間を殺した……。
ジェリドには衝撃だった。

ジェリドは気を失ってしまう。


2.イヌイットの少女
意識を取り戻すと、かたわらに少女がいた。
小屋の奥からは老人が現れた。

イヌイットの少女と老人であった。

ジェリドは、小屋に招かれた。
ジェリドは、イヌイットの少女と老人の話に耳を傾けた。

少女と老人は、先祖代々の土地を守りたいという。

アラスカは宇宙世紀初頭に乱開発され、自然が破壊された。
宇宙世紀初頭、深い地層からの採掘が可能になり、レアメタルを掘り出せるようになった。
アラスカは、レアメタルの宝庫だった。
アラスカに「第3のゴールドラッシュ」ともいうべき時期が到来した。
しかし、月面やほかの小惑星・惑星で採掘が可能になると、アラスカの鉱山は廃れていった。
一年戦争のころまではひっそりと稼働していた工場群も、いまでは見捨てられたという。

地球を守りたい。
自然を守りたい。
先祖の土地を守っていきたい。

それが少女と老人の願いだった。

ジェリドは、その話に感銘を受けた。
地球を守りたい……わかる話であった。

少女と老人の話をまだ聞いていたかったが、ジェリドには任務があった。
ジェリドは、ウェイブ・キャッチャーに心当たりがないか訊ねた。

老人はうなずいた。

あるという。
銀色の塔があるという。
村の西に一つ。
さらに、東南のかなたにもう一つ。

残り二つのウェイブ・キャッチャーの、方角だけは判明した。

ジェリドは礼を言って、ハイザックのもとに向かおうとした。
少女が、ジェリドにランドムーバーを渡す。

ジェリドは、礼を述べて辞去した。
ハイザックのコクピットに戻ると、ランドムーバーに手紙と首飾りが結びつけてあるのに気づいた。
お守りらしい。


3. MS-14A ゲルググ
老人の言っていた、村の西へと向かう。
スワード半島北部地域を西へ。
遥か東にはバックランド基地があるが、その反対方向に向かうわけである。

しばらく行くと、遠くに銀色の塔が見えた。

時間に限りがあるため、ジェリドは急いだ。
それが仇となった。
地雷を踏んでしまった。

爆発。
ハイザックが損傷した。
ジェリドは、地雷原に踏み込んでしまったのだ。

スロットル・レバーを一気に倒す。
ホバーユニットを最大出力にして、ジャンプし地雷原を越えてゆく。
地雷原は越えたが、最大出力で無理をさせたためホバーユニットが故障した。
警告音がなったので、ホバーユニットをパージした。

一つ災難をクリアしたら、次の災難がやってきた。
ウェイブ・キャッチャーからMSが出てきた。

「MS-14A ゲルググ
一年戦争時代の、ジオンの傑作量産機だった。
ただし、旧式だ。
それにしては俊敏な動きをする。
近代化改修がなされているのだろう。
しかし、ジェリドの愛機は、現時点での新鋭量産機であるハイザックである。

機動値:13
装甲:C
(一年戦争時代の量産型MSで機動値13は高い。近代化改修の賜物だろう)

ゲルググと交戦。
ゲルググ撃破。

次いで、ウェイブ・キャッチャーに銃弾を送り込む。
ウェイブ・キャッチャーを破壊した。

二基目。
ウェイブ・キャッチャーはあと一基。


4. RMS-117 ガルバルディβ
ジェリドは半島北部を東へ向かう。
少女のいるイヌイットの村を遠く横目に、さらに東に。

老人によると、村のはるか東南に最後のウェイブ・キャッチャーがあるはずだった。
まず東に針路を取り、適当なところで南下する。

イヌイットの村の東は、岩場だった。
北には海がある。
その暗礁に差し掛かる。

突然、MSが出現した。
赤いMS。

「RMS-117 ガルバルディβ
ジオン公国が戦争末期に開発したMS-17 ガルバルディを、接収した連邦が戦後に改修した機体。
外装を改修し軽量化を推し進めたことにより、高機動性を獲得した。
ただし、そのため装甲が薄く、被弾には弱い。
高機動による回避運動などで被弾率を軽減しようという意図のもとに改修が進められた。
そのため、高性能の機体にはなったが、パイロットの技量を選ぶ機体になってしまった。
当初は、エースパイロットのみに配備されたという。

リニアシートの採用により、パイロットへの負荷が軽減され、ガルバルディの潜在能力を引き出せるようになった。
一年戦争最強のMSの一つとも言われるMS-17 ガルバルディは、操縦性の快適さがその高性能にまったく追いついていなかった。
一年戦争時の操縦システムは、ガルバルディの高すぎる性能に対応しきれなかった。
パイロットの肉体的負担が大きく、限界性能を引き出せず、そのため当時のMSとしては破格の高性能を引き出すことができなかった。
戦後の連邦によるリニアシートの採用は、操縦性を格段に向上させた。
そのため、リニアシートへの換装だけでもガルバルディの潜在能力をかなりの程度引き出せるようになったという。
リニアシート、全天周囲モニターや装甲材、推進エンジンの改良など近代化改修がなされて誕生したのがガルバルディβである。

機動値:13
装甲:D

ガルバルディβは、ハイザックよりも総合性能は多少上である。
機動性は優秀だが、そのための装甲軽量化により防御性能は劣っている。

ジェリドにとっては、マリンハイザックに次ぐ連邦製の鹵獲MSとの戦いであった。
ジオンの残党からしてみれば、マリンハイザックと同じで、ジオン公国のガルバルディを返してもらったぐらいの意識であるかもしれない。

ガルバルディβと交戦。
ガルバルディβ撃破。

暗礁には、撃破された「ガンボート」が岩場に身を横たえていた。
ガンボートとは、ホバー推進で海上を移動し、ミサイルとビーム砲で武装した全長80~100mの高速急襲艦の総称である。
MSの緊急補給艦でもある。
このガンボートは、艦籍照合によるとバックランド基地沿岸警備部所属の「シャルンホルスト」であった。

弾薬の補給が欲しかったが、調べてみるとバズーカ用の弾薬だけでハイパーライフル用のものはなかった。


5. RMV-05 ガンタンクホバー
最後のウェイブ・キャッチャーを探して、ジェリドは南下しはじめた。
南下すると、雑草が生い茂るだけの荒涼とした旧飛行場があった。
なにもない。

さらに南下。
巨大なクレーターに出くわした。

コロニー落としの最大の被害を受けたのは、崩壊したコロニーの前端部分が落下したシドニーを中心にしたオーストラリア大陸東岸だった。
そこには、最大直径500kmの「魔の大落下孔デスクレーター」が穿たれた。
そのほかにも、崩壊した「アイランド・イフィッシュ」は北米大陸や太平洋にも甚大な被害をもたらした。
大小さまざまの破片は、世界中に降り注いだ。
コロニー落下による死傷者、行方不明者はおよそ2億人。
気象変動など2次被害も含む最終的な人的被害は23億人という説もあった(ただし、後の調査で、幸いにも大幅に下方修正されたという)。

そのコロニー落としの爪痕の比較的小さなものが、この巨大なクレーターである。

そのとき、前方800m前に土煙。
土煙のなかをやってくるのは、戦車……MS……ガンタンクだった。
それもキャタピラでの移動ではなく、ホバー推進で移動している。

「RMV-05 ガンタンクホバー
キャタピラの代わりに地形の影響を受けにくいホバークラフトを装備し、機動性を増したガンタンク。
両腕に連装ロケット砲、背部に2門の高出力ビーム砲を装備。
旧式だが、その火力は侮れない。
装甲もかなりのもの。

機動値:6
装甲:B
(ホバー推進なので、機動値はもっと高くても良いのでは?)

(個人的に、MSとタンクが融合したMS-06V ザクタンクがかなり好きである。
とくに、ダークグリーンの「グリーンマカク」。
戦場の急場しのぎ的なところが良い。
戦力は数だよ的なところも良い。
数合わせ的なところも良い。
作業に駆り出されるかつての勇者的なところも良い。
タンクの精神を受け継いだMSというところも良い。

常々、ザクタンクもキャタピラでなく高機動のホバー走行なら、それなりにMS戦ができるのではないかと思っていた。
ジオン公国は、MS-09 ドムなどという重くて直立したMSをホバー走行させることができる。
ならば、それより軽くて重心の低い安定したザクタンクをホバー走行させることは容易なのではなかろうか?
もしそうなら、ザクタンクホバーなるものが戦場で戦う姿を見たいものである)

ガンタンクホバーと交戦
ガンタンクホバー撃破。


6. ORX-003 ドミンゴ
さらに南下。
半島の南端近くまで南下する勢いである。

敵の無線を傍受した。
「ポイントM16-Y19……旧コンビナート……東……20km……」
M16-Y19は、旧鉱山基地の南……半島南端の平原で敵の無線を傍受したときにも出てきたポイントである。
そこにウェイブ・キャッチャーがあり、シュバルツァ・アドラー隊に護衛が命じられていた。
ポイントM16-Y19は、旧コンビナートの東20kmのところにあるらしい。

そのとき、ハイザックの聴音センサーを通して、ジェリドの耳に急降下する機械音が聞こえた。
見上げると、大型戦闘機だった。

その大型戦闘機は、ジェリドハイザックの目の前上空で変形を始めた。
空中で静止し、翼を畳み、後部メインエンジンを下方に展開、機体上部から腕とおぼしきものが突き出て、モノアイが露出しピンク色に光る。

変形!?
MSに変形した。

「ORX-003 ドミンゴ
バックランド基地でテストされた連邦の試作可変MS。
ORX-005 ギャプランの参考機体。
サブフライトシステムに頼らない、MS単体での大気圏飛行を目指した。
全高25mを超す。
強力なビーム砲。
大型ビームサーベル。
変形機構は不完全で、MSへの変形は2~3秒で完了するが、MAの飛行形態への変形は10秒近くかかる。
エンジン出力が低く、実用レベルには程遠い。

バックランド基地では強化人間の極秘研究がなされているため、その流れから強化人間用MSとして「ドミンゴ」は開発されたのだろうか?
ギャプランは、ムーバブル・シールド・バインダーによる急激な方向転換に耐G仕様の強化人間以外ほとんど耐えられない。
そのため、強化人間用MSの色合いが濃く(一般パイロットが搭乗した事例もあるが)、テストも強化人間を中心にして行われた。
「ギャプラン」の先行機に当たる「ドミンゴ」も、強化人間によってテストされていたのかもしれない。

(ドミンゴは、ギャプランに酷似した外見をしている。
ただ、頭部は丸みを帯び、十字モノアイで、MS-09 ドムに良く似ているように思える)

(ちなみに「ドミンゴ」は、ギャプランの初期設定の画稿に用いられたネーミングで、そのとき没になった名前を再利用したものである。
ギャプランの先輩に当たるORX-003にはふさわしいネーミングということで名づけられたのかもしれない。
さらにちなみに、「ドミンゴ」は当初、ティターンズのMSであるRMS-108(エゥーゴではMSA-002)の名前でもあった。
しかし、同名の自動車が商標登録されていたため、急遽、「マラサイ」という名に変更された)

ジェリドは、いったん、退くことにした。
スロットル・レバーを一気に倒し、緊急最大加速レベルに叩き込む。
ハイザックは逃走した。

ドミンゴは、飛行形態になるために10秒近くかかる。
そのあいだにジェリドはできるだけ遠くへ。

そのつもりだったが、ドミンゴの僚機であるド・ダイ改に乗ったRMS-179 ジムIIが、行く手を遮る。
ジムIIはド・ダイ改を飛び降り、ビームサーベルを抜いた。
ジェリドもビームサーベルを抜く。

ジムIIと交戦。
ジムII撃破。

ぐずぐずしてはいられない。
ジムIIが乗っていたド・ダイ改に乗り、空を飛び、逃走する。

ジェリドは空中模擬戦を何度か経験していた。
エマカクリコンたちが相手だった。
強敵のエマにもなんとか辛うじて勝利したこともある(敗北したこともあるかもしれないが)。

ジェリドは、ド・ダイ改を上空へ。
(地球の重力に背中から引っ張られる感覚を、ジェリドは味わっただろうか?)
高度を上げ、雲を突き抜けた。

ドミンゴも食らいつく。
ただし、ORX-005 ギャプランと違い、失敗作のORX-003 ドミンゴはエンジン出力が低い。
ギャプランほどの速度はない。
といっても、ハイザックを乗せたド・ダイ改より速度は上ではなかろうか?

ド・ダイ改がパワーダウンした。
エンジントラブルのようだ。
ド・ダイ改を降下させる。
(「重力の井戸の底」に引き込まれるいやな感覚を、ジェリドは感じただろうか? 後の、宇宙からジャブローへの降下のときのように)

元いた半島南端の平原地帯を大きく東にずれて、針葉樹林地帯に不時着した。
ここはスワード半島の東南の外れである。

ドミンゴはあきらめない。
ついてきた。

ドミンゴは大型ビームサーベルで斬りつけてきた。
もはや、戦うしかない。
逃げてばかりはいられない。
一矢報いてやらねばならない。

ドミンゴと交戦。
ドミンゴ撃破。


『ジェリド出撃命令』4へ
『ジェリド出撃命令』5へ

『ジェリド出撃命令』序へ
『ジェリド出撃命令』1へ
『ジェリド出撃命令』2へ


(参考文献:『ENTERTAINMENT BIBLE.1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、『ENRERTAINMENT BIBLE.2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2グリプス戦争編】』バンダイ、『GUNDAM MECHANICS IV』ホビージャパン、『ガンダムの常識 モビルスーツ大全 Z&ZZ&逆シャア編』双葉社、『機動戦士ガンダム 公式百科事典』講談社)


『機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令』2 ゲームブックあらすじ/解説(『機動戦士ガンダム0087 ジェリド出撃命令』)



■目次
1. RMS-106 ハイザック
2. MSM-10 ゾック
3. MSM-10 ゾック
4. MS-17B ガルバルディ、Fa-223 ドラッヘ、MS-87D ナスホルン
5. ジオン公国のエースパイロット
6. MS-06M マリンハイザック、MAM-07 グラブロ


1. RMS-106 ハイザック
RMS-106 ハイザック
機動値:10(展開によって上下)
装甲:B

ジェリドは出陣。

(ほかに、
•RMS-179 ジムII
 機動値:10
 装甲:C
•MS-06MH(MS-06M) マリンハイザック
 機動値:10
 装甲:C
を乗機として選択できる)

ハイザックの武装は、
ビームサーベル
ハイパーライフル(16発)
ハイザック用のビームライフルは、いまだ「グラーフ・ツェッペリン」には支給されていない。

コクピットには、拳銃。
白兵戦に備えての武器である。

ジェリドの乗ったハイザックは、25mある魚雷状の巨大カプセルの中に詰め込まれている。
「グラーフ・ツェッペリン」は、スワード半島南西60Kmの地点で、ジェリド搭乗ハイザック入り魚雷状カプセルを射出した。


2. MSM-10 ゾック

カプセルは海水を掻き分け海中を北東に進む。
スワード半島にカプセルは急接近する。

異様な衝撃がする。
カプセルの前方を、巨大ななにかが横切ったのだ。


「MSM-10 ゾック
頭頂高23.9mの巨大な水陸両用MS。
異名は「ジオンの潜水艦キラー」。
一年戦争時代の旧式MSだが、その重火力と重装甲はバカにできない。
自走機能を有したメガ粒子砲台とも称される、小型MAともいうべき大火力・重装甲の海の化け物。

機動値:8
装甲:B
(機動値は低いが、さすがに装甲は厚い)
(装甲の最高ランクはA。MAM-07 グラブロとMAX-07(MAX-11)ドゥラが該当)

ゾックの武装はロケット弾。

『ジェリド出撃命令』的には、この戦いがジェリドの初実戦ということになる。
グリプス戦役終了のU.C.0088年2月22日まで続くジェリドの戦いの、その始まりということに。

(『ジェリド出撃命令』的には、ジェリドの相手は、ゾックに始まり、カミーユのZガンダムで終わるということになる)

ジェリド、ゾックと交戦。
ゾックは、轟沈する。
ジェリド、初めての実戦、初めての実戦での勝利。


3. MSM-10 ゾック
スワード半島西部に上陸した。

半島は、長さ320km、幅は145km~225km。
(人口は、2005年調査で3,508人)

「……小島……キャッチャー……増援……回せ……」
敵の無線を傍受した。
微弱すぎて、途切れ途切れにしか聞こえない。

ウェイブ・キャッチャー」は小島にあるということなのか?

しばらく海岸沿いに進むと、高出力巨大ビーム砲台があった。
20数基あるうちの一つである。
その砲台は、西方のベーリング海峡の方角を向いている。
海峡を通る軍艦が獲物だ。

いまは、ウェイブ・キャッチャーの破壊が優先なので、攻撃せずにさらに進む。

ふと、海を隔てた西の小島に、巨大な銀色の鉄塔が見えた。
……ウェイブ・キャッチャーだ。
ウェイブ・キャッチャーは100m近い巨大な銀色の鉄塔である。

小島に渡る。
海を渡る。

センサーに敵機。
MSM-10 ゾック

機動値:8
装甲:B

またもや、ゾック。

再びゾックと交戦。
ゾック轟沈。

(ゾックの総生産数は3機【異説あり】。
そのうち1機は、ジャブロー戦に参加したマッド・アングラー隊ボラスキニフ機。
ジェリドは、すでに2機のゾックを沈めてしまっている……)

小島に上陸する。
ジェリドはスロットル・レバーを倒して、ハイザックを前進させる。
銀色の巨大鉄塔へ向かう。
しかし、ウェイブキャッチャーのダミーだった。
残念ながら、1機目のウェイブ・キャッチャー破壊はおあずけだった。

ただし、小島で得るものはあった。
戦いの痕跡。
撃墜された連邦軍の輸送機の残骸があった。
輸送機を調べてみると、武器弾薬などが放置されている。
ハイパーライフルの弾薬を補充することができた。
整備用ユニット「MS用自動整備システム」もあり、向後のことを考え2時間かけてハイザックを補修する。

そして、再び海を渡り、半島西部へと再上陸する。


4. MS-17B ガルバルディ、Fa-223 ドラッヘ、MS-87D ナスホルン
半島の捜索は続く。
南へ。

半島南西部。
川を渡ると、そこには旧鉱山基地があった。
宇宙世紀初頭に開発された鉱山である。
レアメタルの眠る深い地層を採掘する技術の誕生とともに、宇宙世紀初頭には「ゴールドラッシュ」ともいうべき盛況を呈した。
しかし、月面や惑星・小惑星に採掘の中心が移ると、鉱山は斜陽になった。
一年戦争までは、細々とながら稼働していた工場群もいまや操業を停止していた。
廃棄され、寂れた鉱山跡地である。

戦いの傷跡はここにもあった。
MSの残骸である。

しかし、それだけではなかった。
ジェリドは、そこに巨大な動くもの……MS……ガルバルディを視認した。

「MS-17B ガルバルディ
MS-14 ゲルググ系の後継機でそこにYMS-15 ギャンの格闘戦能力を付与したとも、ギャンの後継機ともされる機体である。
いずれにしろ、格闘戦に秀でたMS。

あまりの高性能ゆえパイロットの肉体的負担が大きく、限界性能を引き出せずに、従来機と変わらぬ性能しか発揮できずに終わった。
その打開策は、戦後、この機体を接収した連邦によりもたらされた。
ガルバルディをガルバルディβに改修する際に、リニアシートに換装しただけでパイロットの肉体的負担は大きく軽減された。
そのため、ガルバルディのもともと有していた非常に高い潜在能力を大いに引き出すことが可能になったという。

一年戦争時最強のMSの一つだったともいう(開発が戦争末期だったため、実戦投入はなかった可能性もある)。
しかし、いまや旧式で、新鋭機のハイザックなら充分戦える。

武器はビームライフル。

ガルバルディはハイザックに気づいていない。
ガルバルディに奇襲をかける。
ガルバルディを撃破。

ジェリドは、MSの残骸のそばにMS用クラッカーらしきものがあるのに気づいた。
クラッカーを大型、強化したのもので「MS用大型手榴弾 ゴリアテ」だった。
ジェリドは罠のにおいを感じ取り、これを無視した。


ジェリドは旧鉱山基地の西方にある、旧連邦軍潜水艦基地を調べてみることにした。
一年戦争のときの臨時に建設された基地で、いまは放棄されている。

西へ。
旧潜水艦基地に着いた。
臨時基地だったうえに放棄されてもいるので、いまはなにもない。

そのとき、センサーが音紋を捉える。
大型ヘリコプター……。

「Fa-223 ドラッヘ
重武装ヘリ。
重バルカン砲を搭載した対戦車ヘリ。

機動値:8
装甲:E

ジェリドのハイザック、飛び出す。
ドラッヘと交戦。
ハイザックのハイパーライフルは、薄いドラッヘの装甲を貫いて撃墜。

なにもない旧潜水艦基地を後にする。


旧鉱山基地に戻り、さらに南……半島最南端の平原へと進む。
すると、前方の岩陰に土煙が見える。
なにかが移動しているのか?

ジェリドは用心のため岩陰を迂回する。
これが、逆の効果を生んだ。

MS に遭遇してしまった。

「MS-87D ナスホルン
一年戦争のとき、一部地域の局地戦に投入された幻のジオン公国MS。
ボバーノズル装備。
ホバー推進で高速で動く。
武装はヒートホークとハイパーライフル。

機動値:12
装甲:D
(ホバー推進だけに機動性は高い。弱点は薄い装甲)

(ドムやゴッグに似ているか?
個人的には、『聖戦士 ダンバイン』の「ドラムロ」に似ている気がするが……)

ナスホルンと交戦。
ナスホルン撃破。

そのとき、敵の無線を傍受した。
「……シュバルツァ・アドラー隊……ポイントM16-Y19のウェイブ……護衛に当た……」
ウェイブとは、「ウェイブ・キャッチャー」のことか?
ポイントM16-Y19に、ウェイブ・キャッチャーの一つはあるらしい。
ポイントM16-Y19がどこに該当するかは不明だが、そのアルファベットと数字をジェリドは胸に刻みつけた。


5.ジオン公国のエースパイロット
平原から東へ。
半島中央の南端へ。
遠くに村落があった。
イヌイットの村である。

ジェリドは、ウェイブ・キャッチャーの手がかりを求め、ハイザックを降り、村落に向かう。

そのとき、コートの男が近づいてきた。
ジェリドは、話しかける。
コートの男は、
「あんた、軍人だね。なにしに来たんだい?」
と訊ねてきた。
ジェリドは、情報を得るために任務のことを話す。

すると、男はニヤリと笑い、ジェリドにボディブローを繰り出してきた。
ジェリドは、咄嗟のことだったが応戦した。

「上出来だ、坊や、俺についてきな」
数度のパンチの応酬ののちに、コートの男は満足そうにそう言って、ジェリドに背を向けて歩き出した。
村から離れた半島南端の海岸沿いの洞窟に案内される。

男は自らのことを語った。
旧ジオン公国の軍人だったという。
一年戦争のとき、愛機のド・ダイを撃墜され、ここに辿り着き、現地の人に助けられ、そのままここに居ついたという。

洞窟の奥に連れていかれる。
そこに、巨大な円筒があった。

重装ビームキャノン砲 グスタフ
グスタフは、MSを一撃で消滅させる威力を持つ。
どのMSにも装着できるが、エネルギーは3発しかもたない、砲身も高威力のためおよそ3度の発射が限度だという。
ジオン公国が、ビームライフル程度の小型ビーム砲開発に難航していたころに代用品として開発されたものだった。
その直後、連邦のビーム技術の機密を窃取、それをもとにゲルググ用ビームライフルを実用化させたため少数しか生産されなかったという。

グスタフを使えという。

ジェリドは、ハイザックの右肩に「重装ビームキャノン砲 グスタフ」をセットした。
3発とはいえ、耳にした威力が本当なら、相当な戦力アップになるだろう。

さらに、赤外線ゴーグルとメダルをジェリドは旧ジオン兵の男から受け取った。
メダルは、青い勲章だった。
青の殊勲賞 ブルーマックス
ごく一部のエースパイロットにしか与えられない、旧ジオン公国軍の名誉ある勲章だった。

男は、ジオン公国のエースパイロットだったのだ。

(ド・ダイ乗りのエースパイロットというと、「ヘルムート・ルッツ大尉(あるいは少尉)」が有名である『戦略戦術大図鑑』。
オデッサの戦いだけでも、戦闘車輛480輌を撃破。
それだけでなく、愛機が対地攻撃型のド・ダイGAであったにもかかわらず戦闘機14機をも撃墜している。

大胆不敵な人物でもあったようである。
オデッサ鉱山基地司令のマ・クベ少佐に、「前線で不足しているものは?」と問われたときのことだ。
ルッツは、「(敵である連邦の)コア・ファイター型があと30機もあれば助かります」とぬけぬけと言ってのけたという。

旧ジオン軍人の男は、ルッツのようにド・ダイでエースパイロットになったのだろうか?
それとも、MSに乗っていた時期があり、そのときエースパイロットになったのだろうか?)

過去のエースパイロットから未来のエースパイロットに、勲章は受け継がれた。


6. MS-06M マリンハイザック、MAM-07 グラブロ
ジェリドハイザックは、イヌイットの村落から北を目指している。
半島中央に近い湖の底にウェイブ・キャッチャーの一つがあるという情報を、かつてのジオン公国エースから教えてもらったのだ。

大きな湖があった。
ハイザックは湖の中に。
しばらくすると、銀色の巨大な鉄塔……ウェイブ・キャッチャーが見えた。

しかし、警備の水陸両用MSが立ち塞がる。

「MS-06M マリンハイザック
旧ジオン公国のザク・マリンタイプを近代化改修した機体。
熱核エンジンの換装、出力向上、全天周囲モニター化、リニアシート化などが施されている。

機動値:10
装甲:C

これまで、旧ジオン公国軍人とおぼしき武装集団のMSは旧ジオン公国のMSであった……ゾックガルバルディ
マリンハイザックは、ジオンのMS-06M ザク・マリンタイプを戦後に接収した連邦が近代化改修した機体である。
連邦のMSであった。
武装集団は、バックランド基地所属の連邦MSを接収して使用しているのだ。
とはいえ、旧ジオン公国軍人にしてみれば、接収されたMS-06M ザク・マリンタイプを返してもらったぐらいの意識かもしれない。

マリンハイザックは、海や川や湖で戦うためのMSだった。
脚部にハイドロジェット。
水中でもヒートホークが使用可能。
水中用ロケットガンを手にしている。

陸上でなら、マリンハイザックはハイザックの敵ではない。
しかし、水中戦では、ハイザックの機動性と攻撃力が著しく減退する。
マリンハイザックは、水を得た魚、恐るべき強敵となる。

水中での機動性の高いマリンハイザックに格闘戦を挑むのは危険だった。
一挙にカタをつけたほうがいい。

ジェリドは、譲り受けたばかりの「重装ビームキャノン砲 グスタフ」の使用を決めた。
グスタフ発射。
マリンハイザック撃破。

しかし……。
ウェイブ・キャッチャーの向こうから巨大な鉤爪と腕が現れた。

ついで、全身が現れる。
人型ではない。
MAだった。

「MAM-07(MAM-07B) グラブロ
全長 40.2m、全高 26.1m。
連邦海洋艦隊を震撼させた巨大MA。
連邦の空母、戦艦、潜水艦などに対して高速戦闘で圧倒的優位に立った。
クローアームによる無防備な艦底への攻撃は、絶大な効果を発揮した。
ペガサス級強襲揚陸艦など空中の敵機にも、対空用のブーメランミサイルで甚大な被害を与えた。

機動値:8
装甲:A
(装甲は最高ランクのA)

厄介な相手がまた出現した。
MAの厚い装甲には、水の中ということもあり、グスタフでも通用しそうにない。
ビームサーベルで格闘戦をするしかないようだ。

グラブロと交戦
グラブロ轟沈。

ジェリドは、次いで、ウェイブ・キャッチャーを破壊する。
一つ目。
ウェイブ・キャッチャーは、あと二つ。
任務遂行まで、あと二つ。


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『ジェリド出撃命令』序へ
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(参考文献:『機動戦士Zガンダム 上巻 データコレクション4』メディアワークス、『GUNDAM FACT FILE』ディアゴスティーニ、『総解説 ガンダム事典』講談社、『ENTERTAINMENT BIBLE.1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、『ENTERTAINMENT BIBLE.2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、『ガンダムの常識 一年戦争モビルスーツ大全』双葉社、『機動戦士ガンダム MSパイロット名鑑 一年戦争編』T2出版、『GUNDAM MECHANICS I』ホビージャパ、『機動戦士ガンダム 公式百科事典』講談社)


『機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令』1 ゲームブックあらすじ/解説(『機動戦士ガンダム0087 ジェリド出撃命令』)



■目次
1. グラーフ・ツェッペリン
2. エマ・シーンカクリコン・カクーラ
3. バックランド基地、ケルベロス

【個人の解釈による脚色が所々にあることを、あらかじめお断りしておきます】


1.グラーフ・ツェッペリン

U.C.0087年1月10日。
(グリプス戦役勃発は、U.C.0087年3月2日)
(グリプス戦役終焉は、U.C.0088年2月22日)


ジェリド・メサは、ティターンズの士官候補生。
23歳。


現在、アリューシャン列島近海を航海している、洋上ホバー空母「グラーフ・ツェッペリン」で訓練を受けている。
「グラーフ・ツェッペリン」は、地球連邦軍の訓練基地。
トップパイロット養成のための訓練基地。
1%の選ばれた候補生のみが学ぶ資格をもつ、海上を動く「トップエリートたちの訓練校」である。
「トップガンダム」、トップエリートを養成するための訓練校は、別名をそう呼ばれていた。

(「トップガンダム」とは「トップガン」と「ガンダム」を合成した造語だろう。
トップガンとは、アメリカ合衆国空軍士官学校の最優秀の卒業生のこと。
士官学校をきわめて優秀な成績で卒業しただろうジェリドにはふさわしいかもしれない。
ただ、発売年/87年の一年前に映画『トップガン』が爆発的にヒットしたので、それにあやかったのだろう。
『トップガン』の主役トム・クルーズほぼそのままの名前の「トム・クルージング上等兵」なる青年警備兵も、物語のラストに出てくる。
「トップガンダム」という造語をシャレでつけたのか、大マジメでつけたのかは不明)


グラーフ・ツェッペリン
全長320mの巨大なホバー空母。
ジオン公国の未完成だったホバー空母を、戦後、連邦が接収して完成させた。
MSを30機搭載、MSのサブフライトシステムであるドダイ改を同じく30機、偵察機/対潜哨戒機を10機搭載している。
また、空母としては異例の10.5センチ低出力対空拡散ビーム砲を備えている。
MSを30機搭載しているというだけでも、かなりの戦力である。
動く海上要塞と言えるだろうか。

(この「グラーフ・ツェッペリン」は、『ポケットの中の戦争』のジオン公国のティベ級とはまったく無関係。
あちらは宇宙重巡洋艦だが、こちらはホバー推進で海上を浮いて航海する空母。
また、1989年の『ポケットの中の戦争』よりも早い87年発売なので、あちらの名前を拝借したわけでもない。
「グラーフ・ツェッペリン」はドイツ海軍の有名な航空母艦らしいので、双方ともに、これを参考にしたのかもしれない。
あるいは、全長235mのドイツの超弩級飛行船「グラーフ・ツェッペリン」号がネーミングの由来かもしれない)


2.エマ・シーン、カクリコン・カクーラ

ジェリドは、コンピューターによる戦闘シミュレーションの訓練を受けていた。
機体はハイザック
武装はハイパーバズーカ。

RMS-179 ジムII
RMS-106 ハイザック
RX-78-1 ガンダム
……と次々に撃破してゆく。

そこに、艦内放送。
エマ・シーンカクリコン・カクーラとともにジェリドは呼び出された。

(3人とも、特に期待された士官候補生たち。
のちに、エウーゴの「アーガマ」との戦いでMS部隊指揮を任されたエマが士官としてはもっとも期待されていただろうか?
これものちのことだが、ガンダムMk-IIの1号機のテストパイロットになったのも(カクリコン2号機、ジェリド3号機)、その表れだろうか?)

3人は教官から空中模擬戦を命じられる。

この時点での熟練度は、
ジェリド 6P(先ほどのシミュレーションで3勝していれば)
エマ 6P
カクリコン 4P

筆者の評価は、エマ ≧ ジェリド >カクリコンか?


3.バックランド基地、ケルベロス
模擬戦を終えると、ティターンズの総帥ジャミトフ・ハイマン大将の右腕バスク・オム大佐が待っていた。
ティターンズの実戦部隊の総司令官、それがバスク・オムである。

バスクがグラーフ・ツェッペリンに視察に訪れている最中、偶然、その近傍で重大な事件が起きていた。

アラスカ地区の西部にあるスワード半島連邦軍バックランド基地が占領されたという。
バックランドは大型基地の一つで、北極海とベーリング海峡を警備している。
守備隊のMS部隊は交戦して壊滅。
相手は正体不明、エゥーゴでもカラバでもなく、旧ジオン公国の戦犯釈放を要求しているという。
もし30時間以内に釈放が承認されなければ、実力行使に出るという。
バックランド基地からのみコントロールできる衛星軌道上の大型要塞型衛星から、複数のコロニーを攻撃するというのだ。


要塞型衛星の名は「ケルベロス」。
「ケルベロス」の超大型レーザー砲(超重ビーム砲)は強力で、コロニーとその住民たちを人質に取られたかっこうである。


ちなみに、バックランド基地には、ケルベロスのコントロール基地という以外に、ある重大な秘密があった。
ごく一部の軍高官のみが知る事実だが、基地地下の巨大研究施設で「強化人間」の極秘研究がおこなわれている。
(つまり、強化人間や強化人間用のMSが出てくる)
むろん、このことをジェリドは知らない。

バスクは、ジェリドに出撃を命じた。


ミッション:バックランド基地奪還
そのためには、基地の周囲に敷設された20基以上の高出力大型ビーム砲が妨げとなる。
大々的に作戦を展開すれば、コロニーとその住民が危険なだけでなく、大型ビーム砲により奪還部隊は甚大な被害を受けるだろう。
最悪、壊滅。
これまで、連邦軍バックランド基地の鉄壁の守りを担保していたのが大型ビーム砲だった。
その大型ビーム砲が、テロリストに占拠されたことにより、いまや連邦の強大な敵として立ち塞がることになったのだ。
この高出力大型ビーム砲を沈黙させるには、20基以上のビーム砲をシラミ潰しにするより、もっと効果的な方法がある。

エネルギーの供給源を絶つのである。


スワード半島のどこかに3基の「ウェイブ・キャッチャー」がある。
場所は最重要機密で極秘。
ケルベロスには超大型レーザー砲のほかに、重要な役割があった。
ありあまる膨大な太陽エネルギーを、マイクロ波の形でウェイブ・キャッチャーに送る。
ウェイブ・キャッチャーは、その太陽エネルギーを、地下ケーブルを通してバックランド基地に送るのである。
この膨大な太陽エネルギーの「仕送り」があってこそ、高主力大型ビーム砲を20基以上も稼働させられるのである。
これを破壊する。
太陽エネルギーの中継点を叩くことにより、基地周囲の高出力大型ビーム砲を沈黙させるのだ。
敵を刺激しないよう、少数の……単独での隠密作戦により。
しかるのちに、大部隊を素早く展開し、バックランド基地を奪い返す。

その大任を、バスクは、シミュレーションでの優秀な成績を見込んでジェリドに託したのである。


ジェリドに与えられた時間は24時間。
アリューシャン列島近海を航行する「グラーフ・ツェッペリン」から、アラスカのスワード半島南部あるいは西部に上陸。
目的地である「バックランド基地」は、上陸地の南部/西部からもっとも奥まった半島最北東部にある。
「バックランド基地」へ行くには、半島を南部/西部から北東へ突っ切らねばならない。
しかし、基地の前に、半島に散在する3つの「ウェイブ・キャッチャー」を探し出し、施設を叩かなければならない。
(探し出さなくてはならないので、半島内を東西南北に駆け回ることになる)
そのあと、単機、高出力大型ビーム砲が沈黙した「バックランド基地」へと向かう。

基地から「グラーフ・ツェッペリン」に任務遂行の報告をするためだ。
敵の散布した高濃度ミノフスキー粒子のため、遠距離通信が可能なレーザー通信施設から送信する必要があるのだ。
レーザー通信は座標を指定して送信する。
指向性が高いため、高濃度のミノフスキー粒子下では数少ない通信方法である。
ただし、傍受がほとんど不可能のため、MSでレーザー通信システムを装備した機体はわずかしかない。
たとえば、MS-14JG ゲルググJ(イェーガー)は、最高級機であるためレーザー通信システムをランドセルに装備している数少ないMSである。
レーザー通信システムを装備したMSが手近になく、半島内でシステムを有しているのがバックランド基地のみということなのかもしれない。
ともかく、任務完了のためには、ジェリドが敵に占拠されたバックランド基地からレーザー通信をおこなわなければならない。

ここまでがジェリドの任務、作戦開始から24時間のタイム・リミット。


その報告を受け取った「グラーフ・ツェッペリン」の大部隊が、「バックランド基地」に突入。
諸コロニーへの報復のいとまを与えることなく、迅速に「ケルベロス」の支配権を取り戻さなければならない。
ここまでが、犯行グループが要求した旧ジオン公国戦犯解放30時間以内のタイム・リミットである。


一つの胴体に三つの頭をもつギリシア神話の「地獄の番犬」が命名の由来である「ケルベロス」を、宇宙で咆哮させてはならない。
その成否の多くが、ジェリドの双肩にかかっていた。





(参考文献:『機動戦士Zガンダム 上巻 データコレクション4』メディアワークス、『ENTERTAINMENT BIBLE.2 機動戦士ガンダム MS大図鑑 【PART.2 グリプス戦役編】』バンダイ、『GUNDAM FACT FILE』ディアゴスティーニ)