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アムロとシャアの最終決戦はなかったかも?(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』なかりせば)



シャア、『ZZ』から『逆襲のシャア』へ

シャアは、『ZZ』の当初案では後半から作品に登場する予定でした。
ハマーンのもとでアーガマやジュドーたちと戦いつつ、もともとメインターゲットであったとおぼしきハマーンに終盤、謀反。
ハマーンを追討し、ネオジオンを掌握し、連邦と最終決戦をおこなうはずでした。
(参考文献:『機動戦士ガンダム大全集』講談社 1991)

しかし、急きょ、『逆襲のシャア』の制作が決定し、シャアは永遠のライバルとも言うべきアムロとの決着の戦いにおもむき、ハマーンに牙を向くのはグレミー、ハマーンを葬るのはジュドー、ジュドーの最後の敵はハマーンということになりました。

そうでなければ、ジュドーの前に最後に立ちはだかるのはハマーンではなくシャアのはずでした。




『逆襲のシャア』がなければ、アムロとシャアの決着はなかった?

アムロの最後の敵は、シャア。
シャアの最後の敵は、アムロ。

それを当然のことであると思っている方は、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。
わたしもそうです。
『ガンダム』という物語はアムロとシャアの戦いから始まり、その二人の戦いでアムロとシャアの物語に幕が下りる。
これだと、物語の構成としてすっきりしています。
始まりと終わりとが対になって呼応しています。
そして、『逆襲のシャア』でその通りになりました。

しかし、『逆襲のシャア』がなかったならシャアは『ZZ』に登場していました。
『ZZ』当初案では、シャアは最後にニュータイプに覚醒を果たせない、ニュータイプになり切れない男として失意のうちに『ZZ』の舞台を降りる運命でした。
かたや、ジュドーはニュータイプに覚醒します。
当初案からは、モビルスーツ戦でのシャアとジュドーの勝敗は不明ですが、シャアの父ジオンが唱導したニュータイプのありようについてはジュドーに完全に軍配が上がります。
ニュータイプのあるべき姿としては、シャアは『ガンダム』のアムロに続き、『ZZ』でジュドーにまたしても一敗地にまみれることになっていたのです。

……アムロはいません。
シャアの最後の戦いのどこにもアムロはいません。

もし、『逆襲のシャア』がなかったのなら、我々が目にしたほぼ完璧なかたちでアムロとシャアの戦いに決着がつく(ニュータイプとしても、モビルスーツのパイロットしても)『逆襲のシャア』の終幕を目にすることはできなかったのです。

アムロとシャアが、それぞれ互いを最後の戦う相手とせずに【ガンダム】の物語の終焉(しゅうえん)を迎えていたのなら……なんだか、それはとてつもなく寂しいようにわたしには思えるのですが、いかがでしょうか。