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宇宙(そら)を見上げて……『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(アル&バーニィー)/『蒼き流星SPTレイズナー』OP「メロスのように-LONELY WAY-」


窓の外


ふだんは気がつかなくても、なにかの拍子にふと気づくことがあります。

ときどき、部屋を暗くして、ごはんをたべることがあります。
視覚の負担を減らし、ゆったりと落ちつきたいときなどに。

2階での夕食時。
窓の外を漫然と見つめていると、夜空に、月や星たちを背景に、すこし遠方をゆっくり動く小さな発光物体を認めることがあります。
UFOなら大発見になりますが、残念ながらありふれた存在。
航空機です。

航空機が、光の点になって視界を右から左に……南から北に流れていきます。
羽田や成田から北へ向かう旅客機なのか、宇都宮の駐屯地に向かう自衛隊機なのか、それともなにかほかの航空機なのか。
けっこう頻繁に目撃するのですが、これが、ふだんはほとんど気づかない。
ある程度長い時間、窓の外をながめつづけてはじめて、航空機が自分の家からちょっと離れた場所をそれなりの頻度で飛んでいることを確認することができるのです。

自分の身のまわりで起きていていることでも感づかないことは多いものなのだなあ、とあらためておもいます。




『蒼き流星SPTレイズナー』(メロスのように-LONELY WAY-)……ビルの窓から遠くの都会(まち)を探していたよ


夜空を見ていて、よく思い出すのは、『蒼き流星SPTレイズナー』(1985)のOP「メロスのように-LONELY WAY-」です。
わたしのお気に入りの歌の一つ。

『レイズナー』じたい、わたしにとってはTVアニメ10本の指にはいる作品。
地球とグラドス人の混血である主人公アルバトロ・ナル・エイジ・アスカが、科学文明のすすんだ異星人グラドスの地球侵略を阻止すべく戦う物語。
80年代当時の、アメリカ合衆国とソヴィエト連邦(現ロシア)の対立、核戦争の恐怖を背景にした硬派なリアルロボットアニメです。
エイジは物静かで、ひたむきな、母性本能をくすぐるタイプの主人公。
敵とはいえ他者を殺せないエイジが、いかにして敵と戦うかも本作品のテーマの一つでした。

「メロスのように」の冒頭は、

空に蒼い流星
夜の銀河をすべるようだね
2人 ビルの窓から
遠くの都会(まち)を探していたよ

という歌詞です。
(1985年の本放送以来、何度も口ずさんできた歌詞でしたが、今回ネットで検索してみてはじめて、ビルの窓の外をながめていたのが1人ではなく2人であることを知りました。
つい、自分に引き寄せて1人だと思い込んでいたのでしょうか。
夜空を見つめるのはいつも1人という、わたしの悲しい性(さが)がモロバレ……)




『機動戦士ガンダムZZ』(アニメじゃない)……みんなが寝静まった夜、窓から外を見ていると


ガンダムだと、たとえば『ZZ』の初期のOP「アニメじゃない」。

みんなが寝静まった夜
窓から外を見ていると
とっても すごいものを見たんだ

これが冒頭。
作詞は秋元康。
アニメなのにタイトルがこれかよという人を喰った「アニメじゃない」が秋元康作詞なのは有名ですが、お気に入りの「メロスのように」も秋元康作詞ということを今回はじめて知りました。
まじめな作詞も秋元康はするのか……(←失礼な)。
(それにしても、秋元康は窓から夜空を見るのが好きだなあ)




『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』……あ、戦闘だ、コロニーの外で戦闘をやってるんだ


作中における空の発光体といえば、たとえば『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(1989)。
第2話「茶色の瞳に映るもの」。
UC.0079 12月15日。
主人公のアルは、サイド6のコロニー「リボー」に住む11歳の少年。
モビルスーツ大好きのアルは、夜に家をこっそり抜け出し、中破して森林公園の奥に放置されていたザクII改のコクピットに忍び込みます。
あこがれのモビルスーツのコクピットに乗ることができ、満足して気がゆるみ、そこで寝てしまう。
ザクII改のモニターは、コロニーの外(コロニーの空の位置)で輝いては消え、また輝いては消えする複数の小さな発行体をうつしていました。
この発光体は戦争の光でした。
モビルスーツが爆発したり、バーニアの炎、ビームライフルや弾薬の熱が生みだした輝きだったり。
寝ぼけまなこのアルはそれに気づくも、「あ、戦闘だ、コロニーの外で戦闘をやってるんだ……」そうおもうなり、ふたたび寝てしまう。

このとき、いつもは平和なリボーコロニー近傍の宇宙で、多数のMS同士の戦闘がおこなわれていました。
この戦闘にまぎれて、19歳のジオン公国軍伍長バーナード・ワイズマン(愛称バーニィー)の操縦する民間船に艤装(ぎそう)したジオン公国軍の貨物船「アグワベルデ」が、リボーコロニーに入港します。
それはバーニィーにとって、宇宙に二度と戻ることのない片道切符の「旅」でした。

悲劇の運命は、アルにとっては平和なまどろみのなかで着々とすすんでいたことになります。



『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』年表・日付表・時刻表




0079

12.9
サイクロプス隊、北極基地襲撃


12.12 
RX-78NT1アレックス、リボー・コロニーのU.N.メディカル・センターに搬入


12.13
リボー・コロニー襲撃事件
バーニィ、アル 出会う


12.14
(15時30分)バーニィ、サイクロプス隊に合流
(23時00分)ルビコン作戦、発動


12.15 
(未明)ルビコン作戦の陽動作戦
(未明)アグワベルデ(バーニィ搭乗)、リボー・コロニーに入港
(6時前後)トレーラー(ケンプファーの部品搭載)移送


12.19
(16時00分)サイクロプス隊潜入班3名(シュタイナー、ガルシア、バーニィ)工場を出発
(17時50分(推定))U.N.メディカル・センター施設に侵入【19時30分説あり】
(18時00分)MS-18Eケンプファー(ミハイル・カミンスキー搭乗)発進【19時40分説あり】
( ~18時20分ごろ(推定))潜入班、銃撃戦
(18時20分ごろ~18時30分ごろ(推定))MS-18EとRX-78NT1交戦
(18時30分ごろ)ルビコン作戦失敗
(18時30分)コロニー搬入用ハッチ爆発(MS-18E脱出予定地点)
(深夜(推定))キリング、核攻撃を指令


12.22
(昼間)バーニィとアル、訣別【20日昼間説あり】
(深夜)バーニィ、RX-78NT1襲撃を決意【20日深夜説あり】
(深夜)バーニィ、アルと電話で和解【20日深夜説あり】


12.23
クリスマス作戦の準備(ヒート・ホーク入手【21日昼間説あり】など)


12.24
クリスマス作戦の準備
(夜)クリスマス作戦の準備完了
(夜)アル、バーニィからビデオ・ディスクを受け取る


12.25
(00時00分)フォン・ヘルシング麾下の艦隊(核ミサイル搭載)、グラナダを発進
(10時55分~)フォン・ヘルシング麾下の艦隊、連邦軍第3艦隊第14戦隊と交戦、降伏
(14時00分)MS-06FZザクII改(バーニィ搭乗)発進(クリスマス作戦開始)
バーニィ、死亡


0080
1.14
クリス、地球へ
アル、泣く
    

(参考文献:『機動戦士ガンダム 公式百科事典』編著・皆川ゆか 講談社、『GUNDAMU HISTORICA』講談社、『MOBILE SUIT GUNDAM0080 THE OVA MOVIES VIII』旭屋出版)


『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』「ポケットの中」の謎




『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(1989.3.25~8.25)


『ポケットの中の戦争』のタイトルの由来には、レビル将軍関連のエピソードが1つある。
ただし、後づけである。
1991年に発売された『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』が初出なのである。
しかも、この本は記述の多くが新たに設定されたものであり、さらに致命的なことには非公認設定本なのである。
だから、どこまで公認されたものであるのか不明なことをお断りしておく。
(また、『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』を所持しておらず、2003年ごろに伝え聞いた内容もふくむため信憑性に疑いがあることを承知されたい)


コンペイトウ(ソロモン)に駐留していたレビル将軍は、民間人の死者246名、重軽傷者572名を出したリボーコロニーの「戦争」の報告を受けた。
レビル将軍はその報告に、
「しょせんは、ポケットの中の戦争に過ぎんさ。我々には、もっと大きな戦場が待っている」
(『機動戦士ガンダム 公式百科事典』(講談社)から引用)
という言葉を洩らしたという。
このレビル将軍の言葉から、「ポケットの中の戦争」と命名されたという。


ただし、これは後づけなので、1989年当時、『ポケットの中の戦争』というタイトルがなにに由来しているのかはいまも不明なのかもしれない。


わたしが2003年ごろに読んだはなしでは、このリボーコロニーの「戦い」の概要をしるした紙(メモ?)を受け取り、目を通したレビル将軍は、星一号作戦(ア・バオア・クー攻略戦)という勝敗を決する大事を前にして、「些細な事、いまはそれどころではない」という感じで、軍服のポケットの中に無造作にその紙を押し込んだ、そこから「ポケットの中の戦争」……顧慮する価値のないちっぽけな戦争というタイトルがつけられたというものであったが、これは本当なのだろうか?


そのあと、このエピソードに一度もお目にかかったことがない。
それとも、これも『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』にしるされているのだろうか?


一度、古本屋で(古本価格が高そうなので)立ち読みをする機会を得たいものである。




感想
民間人の死者246名、重軽傷者572名の戦争でも「ポケットの中」なのである。
しかし、それはそうだろう。
一年戦争では、人類の半数が死にいたった。
かつ、戦争の犠牲者は民間人・軍人を問わず、0079年12月末をもってもやむことを知らない。


バーニィはこの「ポケットの中の戦争」で亡くなったわけだが、個人的に親しかったアルならぬレビルにその悲しさはわかろうわけもなかった
しかし、そのレビルも数日後にはソーラ・レイの「光の中の戦争」で亡くなるのである。