FC2ブログ

Contents

『機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令』3 ゲームブックあらすじ/解説(『機動戦士ガンダム0087 ジェリド出撃命令』)



■目次
1. ザクタンカー
2. イヌイットの少女
3. MS-14A ゲルググ
4. RMS-117 ガルバルディβ
5. RMV-05 ガンタンクホバー
6. ORX-003 ドミンゴ


1.ザクタンカー
ジェリドは北上した。
スワード半島の中央近くを北上している。

アラスカの針葉樹林地帯。
樹間を縫うようにして、ハイザックを走らせる。

そのとき、木々の隙間に放置されている機械が目に留まった。
乗り物のようだ。
近づいてみると、それは……。

ザクタンカー
一年戦争後半にジオン公国が運用したMS支援用大型トレーラー。
ザクタンカーの呼称は、前部コクピットの形状がMS-06 ザクIIの頭部に似ているところから付けられた。
ザク専用のトレーラーというわけではない。
ザクに「顔」が酷似しているのが意図的に似せたのか、偶然似ていたのかは不明。
主武装は、コクピット横にマウントされた戦艦クラス(戦車クラスとも)のビーム砲。
このビーム砲は、キャリアーに乗ったMSが武器として使用することも可能。
U.C.0088年のアフリカの事例でいくと、MS2機を乗せても高速で移動できるくらい高出力の馬力を有していた(『ZZ』)。

旧ジオン公国のMS輸送用トレーラーである「サムソン」のように、コクピットだけが分離してMS支援などをおこなえるかどうかは不明。
(ちなみに、サムソンのコクピット部分を「サムソントップ」という)

バックランド基地には、現在、改良型が少数だけ配備されているという。

ザクタンカーは各部に損壊があり、乗り捨てられたようだ。
調べてみると、貨物コンテナ(キャリアー)にホバーユニット(高機動システム)が放置されていた。

高機動システムは、ブーツのようにMSの両脚にセットし、移動力と機動力を向上させる。
所要移動時間を半分に短縮できる。
戦闘時や緊急時の逃亡やジャンプにも威力を発揮する。
対応機種は、現時点U.C.0078年に連邦に登録されているすべてのMSであった。

ジェリドは、ハイザックにホバーユニットを装着した。

速い。
スピードがいままでの2倍である。


ジェリドは、北に進む。
半島の北部地区へと足を踏み入れる。
半島の北部中央地域である。


イヌイットの村があった。
なにか手がかりが得られるかもしれない。

ジェリドは銃を携帯してハイザックを降りた。
村に向かってしばらく歩く。

そのときだった。
武装集団の1兵士に見つかってしまった。

ジェリドはとっさに銃を抜き、引き金を引いた。
やらなければ、やられる。

銃弾は兵士を貫いた。
兵士は死んだ。

ジェリドは、初めて、生身の人間を殺してしまった。
生身の人間を殺した……。
ジェリドには衝撃だった。

ジェリドは気を失ってしまう。


2.イヌイットの少女
意識を取り戻すと、かたわらに少女がいた。
小屋の奥からは老人が現れた。

イヌイットの少女と老人であった。

ジェリドは、小屋に招かれた。
ジェリドは、イヌイットの少女と老人の話に耳を傾けた。

少女と老人は、先祖代々の土地を守りたいという。

アラスカは宇宙世紀初頭に乱開発され、自然が破壊された。
宇宙世紀初頭、深い地層からの採掘が可能になり、レアメタルを掘り出せるようになった。
アラスカは、レアメタルの宝庫だった。
アラスカに「第3のゴールドラッシュ」ともいうべき時期が到来した。
しかし、月面やほかの小惑星・惑星で採掘が可能になると、アラスカの鉱山は廃れていった。
一年戦争のころまではひっそりと稼働していた工場群も、いまでは見捨てられたという。

地球を守りたい。
自然を守りたい。
先祖の土地を守っていきたい。

それが少女と老人の願いだった。

ジェリドは、その話に感銘を受けた。
地球を守りたい……わかる話であった。

少女と老人の話をまだ聞いていたかったが、ジェリドには任務があった。
ジェリドは、ウェイブ・キャッチャーに心当たりがないか訊ねた。

老人はうなずいた。

あるという。
銀色の塔があるという。
村の西に一つ。
さらに、東南のかなたにもう一つ。

残り二つのウェイブ・キャッチャーの、方角だけは判明した。

ジェリドは礼を言って、ハイザックのもとに向かおうとした。
少女が、ジェリドにランドムーバーを渡す。

ジェリドは、礼を述べて辞去した。
ハイザックのコクピットに戻ると、ランドムーバーに手紙と首飾りが結びつけてあるのに気づいた。
お守りらしい。


3. MS-14A ゲルググ
老人の言っていた、村の西へと向かう。
スワード半島北部地域を西へ。
遥か東にはバックランド基地があるが、その反対方向に向かうわけである。

しばらく行くと、遠くに銀色の塔が見えた。

時間に限りがあるため、ジェリドは急いだ。
それが仇となった。
地雷を踏んでしまった。

爆発。
ハイザックが損傷した。
ジェリドは、地雷原に踏み込んでしまったのだ。

スロットル・レバーを一気に倒す。
ホバーユニットを最大出力にして、ジャンプし地雷原を越えてゆく。
地雷原は越えたが、最大出力で無理をさせたためホバーユニットが故障した。
警告音がなったので、ホバーユニットをパージした。

一つ災難をクリアしたら、次の災難がやってきた。
ウェイブ・キャッチャーからMSが出てきた。

「MS-14A ゲルググ
一年戦争時代の、ジオンの傑作量産機だった。
ただし、旧式だ。
それにしては俊敏な動きをする。
近代化改修がなされているのだろう。
しかし、ジェリドの愛機は、現時点での新鋭量産機であるハイザックである。

機動値:13
装甲:C
(一年戦争時代の量産型MSで機動値13は高い。近代化改修の賜物だろう)

ゲルググと交戦。
ゲルググ撃破。

次いで、ウェイブ・キャッチャーに銃弾を送り込む。
ウェイブ・キャッチャーを破壊した。

二基目。
ウェイブ・キャッチャーはあと一基。


4. RMS-117 ガルバルディβ
ジェリドは半島北部を東へ向かう。
少女のいるイヌイットの村を遠く横目に、さらに東に。

老人によると、村のはるか東南に最後のウェイブ・キャッチャーがあるはずだった。
まず東に針路を取り、適当なところで南下する。

イヌイットの村の東は、岩場だった。
北には海がある。
その暗礁に差し掛かる。

突然、MSが出現した。
赤いMS。

「RMS-117 ガルバルディβ
ジオン公国が戦争末期に開発したMS-17 ガルバルディを、接収した連邦が戦後に改修した機体。
外装を改修し軽量化を推し進めたことにより、高機動性を獲得した。
ただし、そのため装甲が薄く、被弾には弱い。
高機動による回避運動などで被弾率を軽減しようという意図のもとに改修が進められた。
そのため、高性能の機体にはなったが、パイロットの技量を選ぶ機体になってしまった。
当初は、エースパイロットのみに配備されたという。

リニアシートの採用により、パイロットへの負荷が軽減され、ガルバルディの潜在能力を引き出せるようになった。
一年戦争最強のMSの一つとも言われるMS-17 ガルバルディは、操縦性の快適さがその高性能にまったく追いついていなかった。
一年戦争時の操縦システムは、ガルバルディの高すぎる性能に対応しきれなかった。
パイロットの肉体的負担が大きく、限界性能を引き出せず、そのため当時のMSとしては破格の高性能を引き出すことができなかった。
戦後の連邦によるリニアシートの採用は、操縦性を格段に向上させた。
そのため、リニアシートへの換装だけでもガルバルディの潜在能力をかなりの程度引き出せるようになったという。
リニアシート、全天周囲モニターや装甲材、推進エンジンの改良など近代化改修がなされて誕生したのがガルバルディβである。

機動値:13
装甲:D

ガルバルディβは、ハイザックよりも総合性能は多少上である。
機動性は優秀だが、そのための装甲軽量化により防御性能は劣っている。

ジェリドにとっては、マリンハイザックに次ぐ連邦製の鹵獲MSとの戦いであった。
ジオンの残党からしてみれば、マリンハイザックと同じで、ジオン公国のガルバルディを返してもらったぐらいの意識であるかもしれない。

ガルバルディβと交戦。
ガルバルディβ撃破。

暗礁には、撃破された「ガンボート」が岩場に身を横たえていた。
ガンボートとは、ホバー推進で海上を移動し、ミサイルとビーム砲で武装した全長80~100mの高速急襲艦の総称である。
MSの緊急補給艦でもある。
このガンボートは、艦籍照合によるとバックランド基地沿岸警備部所属の「シャルンホルスト」であった。

弾薬の補給が欲しかったが、調べてみるとバズーカ用の弾薬だけでハイパーライフル用のものはなかった。


5. RMV-05 ガンタンクホバー
最後のウェイブ・キャッチャーを探して、ジェリドは南下しはじめた。
南下すると、雑草が生い茂るだけの荒涼とした旧飛行場があった。
なにもない。

さらに南下。
巨大なクレーターに出くわした。

コロニー落としの最大の被害を受けたのは、崩壊したコロニーの前端部分が落下したシドニーを中心にしたオーストラリア大陸東岸だった。
そこには、最大直径500kmの「魔の大落下孔デスクレーター」が穿たれた。
そのほかにも、崩壊した「アイランド・イフィッシュ」は北米大陸や太平洋にも甚大な被害をもたらした。
大小さまざまの破片は、世界中に降り注いだ。
コロニー落下による死傷者、行方不明者はおよそ2億人。
気象変動など2次被害も含む最終的な人的被害は23億人という説もあった(ただし、後の調査で、幸いにも大幅に下方修正されたという)。

そのコロニー落としの爪痕の比較的小さなものが、この巨大なクレーターである。

そのとき、前方800m前に土煙。
土煙のなかをやってくるのは、戦車……MS……ガンタンクだった。
それもキャタピラでの移動ではなく、ホバー推進で移動している。

「RMV-05 ガンタンクホバー
キャタピラの代わりに地形の影響を受けにくいホバークラフトを装備し、機動性を増したガンタンク。
両腕に連装ロケット砲、背部に2門の高出力ビーム砲を装備。
旧式だが、その火力は侮れない。
装甲もかなりのもの。

機動値:6
装甲:B
(ホバー推進なので、機動値はもっと高くても良いのでは?)

(個人的に、MSとタンクが融合したMS-06V ザクタンクがかなり好きである。
とくに、ダークグリーンの「グリーンマカク」。
戦場の急場しのぎ的なところが良い。
戦力は数だよ的なところも良い。
数合わせ的なところも良い。
作業に駆り出されるかつての勇者的なところも良い。
タンクの精神を受け継いだMSというところも良い。

常々、ザクタンクもキャタピラでなく高機動のホバー走行なら、それなりにMS戦ができるのではないかと思っていた。
ジオン公国は、MS-09 ドムなどという重くて直立したMSをホバー走行させることができる。
ならば、それより軽くて重心の低い安定したザクタンクをホバー走行させることは容易なのではなかろうか?
もしそうなら、ザクタンクホバーなるものが戦場で戦う姿を見たいものである)

ガンタンクホバーと交戦
ガンタンクホバー撃破。


6. ORX-003 ドミンゴ
さらに南下。
半島の南端近くまで南下する勢いである。

敵の無線を傍受した。
「ポイントM16-Y19……旧コンビナート……東……20km……」
M16-Y19は、旧鉱山基地の南……半島南端の平原で敵の無線を傍受したときにも出てきたポイントである。
そこにウェイブ・キャッチャーがあり、シュバルツァ・アドラー隊に護衛が命じられていた。
ポイントM16-Y19は、旧コンビナートの東20kmのところにあるらしい。

そのとき、ハイザックの聴音センサーを通して、ジェリドの耳に急降下する機械音が聞こえた。
見上げると、大型戦闘機だった。

その大型戦闘機は、ジェリドハイザックの目の前上空で変形を始めた。
空中で静止し、翼を畳み、後部メインエンジンを下方に展開、機体上部から腕とおぼしきものが突き出て、モノアイが露出しピンク色に光る。

変形!?
MSに変形した。

「ORX-003 ドミンゴ
バックランド基地でテストされた連邦の試作可変MS。
ORX-005 ギャプランの参考機体。
サブフライトシステムに頼らない、MS単体での大気圏飛行を目指した。
全高25mを超す。
強力なビーム砲。
大型ビームサーベル。
変形機構は不完全で、MSへの変形は2~3秒で完了するが、MAの飛行形態への変形は10秒近くかかる。
エンジン出力が低く、実用レベルには程遠い。

バックランド基地では強化人間の極秘研究がなされているため、その流れから強化人間用MSとして「ドミンゴ」は開発されたのだろうか?
ギャプランは、ムーバブル・シールド・バインダーによる急激な方向転換に耐G仕様の強化人間以外ほとんど耐えられない。
そのため、強化人間用MSの色合いが濃く(一般パイロットが搭乗した事例もあるが)、テストも強化人間を中心にして行われた。
「ギャプラン」の先行機に当たる「ドミンゴ」も、強化人間によってテストされていたのかもしれない。

(ドミンゴは、ギャプランに酷似した外見をしている。
ただ、頭部は丸みを帯び、十字モノアイで、MS-09 ドムに良く似ているように思える)

(ちなみに「ドミンゴ」は、ギャプランの初期設定の画稿に用いられたネーミングで、そのとき没になった名前を再利用したものである。
ギャプランの先輩に当たるORX-003にはふさわしいネーミングということで名づけられたのかもしれない。
さらにちなみに、「ドミンゴ」は当初、ティターンズのMSであるRMS-108(エゥーゴではMSA-002)の名前でもあった。
しかし、同名の自動車が商標登録されていたため、急遽、「マラサイ」という名に変更された)

ジェリドは、いったん、退くことにした。
スロットル・レバーを一気に倒し、緊急最大加速レベルに叩き込む。
ハイザックは逃走した。

ドミンゴは、飛行形態になるために10秒近くかかる。
そのあいだにジェリドはできるだけ遠くへ。

そのつもりだったが、ドミンゴの僚機であるド・ダイ改に乗ったRMS-179 ジムIIが、行く手を遮る。
ジムIIはド・ダイ改を飛び降り、ビームサーベルを抜いた。
ジェリドもビームサーベルを抜く。

ジムIIと交戦。
ジムII撃破。

ぐずぐずしてはいられない。
ジムIIが乗っていたド・ダイ改に乗り、空を飛び、逃走する。

ジェリドは空中模擬戦を何度か経験していた。
エマカクリコンたちが相手だった。
強敵のエマにもなんとか辛うじて勝利したこともある(敗北したこともあるかもしれないが)。

ジェリドは、ド・ダイ改を上空へ。
(地球の重力に背中から引っ張られる感覚を、ジェリドは味わっただろうか?)
高度を上げ、雲を突き抜けた。

ドミンゴも食らいつく。
ただし、ORX-005 ギャプランと違い、失敗作のORX-003 ドミンゴはエンジン出力が低い。
ギャプランほどの速度はない。
といっても、ハイザックを乗せたド・ダイ改より速度は上ではなかろうか?

ド・ダイ改がパワーダウンした。
エンジントラブルのようだ。
ド・ダイ改を降下させる。
(「重力の井戸の底」に引き込まれるいやな感覚を、ジェリドは感じただろうか? 後の、宇宙からジャブローへの降下のときのように)

元いた半島南端の平原地帯を大きく東にずれて、針葉樹林地帯に不時着した。
ここはスワード半島の東南の外れである。

ドミンゴはあきらめない。
ついてきた。

ドミンゴは大型ビームサーベルで斬りつけてきた。
もはや、戦うしかない。
逃げてばかりはいられない。
一矢報いてやらねばならない。

ドミンゴと交戦。
ドミンゴ撃破。


『ジェリド出撃命令』4へ
『ジェリド出撃命令』5へ

『ジェリド出撃命令』序へ
『ジェリド出撃命令』1へ
『ジェリド出撃命令』2へ


(参考文献:『ENTERTAINMENT BIBLE.1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、『ENRERTAINMENT BIBLE.2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2グリプス戦争編】』バンダイ、『GUNDAM MECHANICS IV』ホビージャパン、『ガンダムの常識 モビルスーツ大全 Z&ZZ&逆シャア編』双葉社、『機動戦士ガンダム 公式百科事典』講談社)


Comments

Post a Comment
管理者にだけ表示を許可する