FC2ブログ

Contents

エルピープル……エルドラド・ピープル(楽園の人)が名前の由来?『機動戦士ガンダムZZ』



エルピープルの名前の由来


エルピープルの名前の由来は、「エルドラド・ピープル」だという説があります。
エルドラドとは、「楽園」や「黄金郷」のこと。
つまりは、「楽園の人」。

オフィシャルである『ガンダムファクトファイル No.4』(ディアゴスティーニ、2004)は、この説のみを紹介しています。
そこでこれが定説かと思いきや、ネットで念のために調べてみるとほかにも諸説。
・エルフ・ピープル(PEAPLE)
・エレ・ピープル(PEAPLE)
・レモンピープル(L(emon) pea ple)
・LP盤レコードプレーヤーの筐体(LP PULL[ボタン表記])
・エル・フィノの一族(PEAPLE)
・エルの一族(PEAPLE)

エルフは高い知性と文明をもった美しい妖精。
人間よりも神に近い高貴なイメージ。
ロードス島戦記』のヒロインであるディードリットなどが有名。
プルにはかわいらしい妖精のイメージがあり、かつ、道を踏み外そうとしている妹のプルツーを生命を賭して止めようとしたプルの最期はじつに気高く、エルフ族に通底するなにものかがプルにはあるように思えます。

エレ・ピープルは、すみません、なんのことだかわかりません。
聖戦士ダンバイン』のエレ・ハンムのことではないと思いますが……。
ちなみに『聖戦士ダンバイン』は『ZZ』と 同じ富野作品。
エレ・ハンムは父ピネガンが国王だったミの国の王女で、のち、国王だった母方の祖父フォイゾン・ゴウを継いでラウの国の女王になったひたむきで内気な13歳の女の子。
プルの卓越したニュータイプ能力は、エレが持っていた巫女的な強大な霊力を連想させます。

『レモンピープル』ですか……わたしは十代後半のころ『ホットミルク』『ペンギンクラブ』『コットンクラブ』だったからなあ……まあ、エロ漫画雑誌です。
(さりげなく、読んだことのあるエロ漫画雑誌をカミングアウト)

LP盤レコードプレーヤーはCDの先輩に当たる音楽プレーヤー。
富野由悠季が命名に悩んでいたとき偶然目にした、LP盤レコードプレーヤーのボタン表記(LP PULL)から着想を得たとのこと。

エル・フィノは『聖戦士ダンバイン』に出てくるミ・フェラリオ(妖精)。
お転婆(てんば)で自由奔放なところなどがプルと良く似ています。
エル・フィノの一族ということから、エルの一族(エル PEA PLE)。

エルの一族とは、富野由悠季が読んでいたファンタジー小説に出てくるかわいい妖精の一族。
これを気に入った富野由悠季がそのまま名前にしたとのこと、つまり、エルの一族(エル PEA PLE)。

ただし、ネットではほとんどが「エルドラド・ピープル」説をまず初めに紹介しています。
一応(絶対ではないものの)公式である『ガンダムファクトファイル No.4』も「エルドラド・ピープル」説を採っています。
これが、いまのところ最有力説でしょうか?
(あるサイトでは、確証でもあるのでしょうか『レモンピープル』と断言していて、そのほかの説には見向きもしていません)
(ファンタジー小説に出てくる「エルの一族」からの富野命名説は、本放送終了間もないころに出版された『別冊アニメディア 機動戦士ガンダムZZ PART2 完結編』(1987)が出典元とのこと【現物不所持のため未確認】)




プルたちの光と影


このエルドラド、わたしはプルの名前のもとになったというのはありうる話だなと思いました。
その理由は、プルとエルドラドに共通する光と影です。

エルドラドは、大航海時代(15世紀半ば~17世紀半ば)、主としてスペイン人がアンデスの奥地にあると夢想した黄金の楽園。
実際は16世紀ごろ、南米アンデス地方に存在したチブチャ文化を理想化しすぎたスペイン人によって産み出された「妄想の楽園」です。

チブチャ文化は、金の採掘と金細工技術に秀で、コロンビアの首都ボゴダの北57kmのところにあるグアタビータ湖地方では首長が全身に金粉をぬり儀式をおこなう風習がありました。
それだけのことです。
黄金郷からは程遠い。
しかし、この風習を耳にした貪欲な冒険者たちは、欲望のままに想像を肥大化させ、一攫千金の夢を胸にエルドラドを目指し、侵略をはじめました。

南米アンデス地方は征服者(コンキスタドール)に踏み荒らされ、現地の人たちは虐殺され、略奪され、しまいにはコンキスタドールのあいだで富の奪い合いが繰り返され、裏切りと暗殺と戦いのなか、多くの者が非命にたおれていきました。

エルドラドはもともと存在しなかったうえに、その妄念のために多くの人々が不幸になっていったのです。
楽園どころではない、それがエルドラドです。
光と影というより、影に一方的に寄った王国、それがエルドラドといっていいでしょう。



エルピープルは、自由奔放な明るい子でした。
甘えん坊で、物怖じしない。
天使のような女の子。

しかし、プルは、MSを上手に操縦するために人工的に生み出されました。
そして、妹のプルツーとの戦いで亡くなります。
戦争のために生み出され、11歳の幼さで戦争により落命する、それも妹の手によってです。



プルの光と影。
それはエルドラドの光と影にかさなります。

そしてそれは長女のエルピープル一人にとどまらず、クローンである妹たちにもまた不幸な運命が用意されていました。
プルツーやプルトゥエルブなど数多くの(少なくとも11人)プルの妹たちのほとんど、あるいは全員が戦いのなかで散っていくことになります。

本来は戦いの道具ではないニュータイプをたんなる戦いの道具とみなした「幻想」が、プルたちを不幸にしたのかもしれません。



プルは、そしてプルの妹たちは、「幻の楽園の人」だったのかもしれません。





Comments

Post a Comment
管理者にだけ表示を許可する