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バーニィ……あれから30年(『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』)【※ネタバレあり】



バーニィ、30年前

バーニィが亡くなって30年目です。
といっても、わたしが『ポケットの中の戦争』の最終巻を観たのが今日(2019.8.30)の30年前の1989年8月30日ということなのですが。

最終巻の発売日は8月25日。
わたしは、5日遅れて、ビデオソフトをレンタルして鑑賞しました。

まったくラストの知識がないまま『ポケットの中の戦争』を観ていたので、まさか、ザクII改に乗ったバーニィがクリスの搭乗したアレックスと相討ち(あるいは敗北か?)になり、バーニィが戦死するとは思ってもいませんでした。




バーニィ、自分の分身のように、あるいは親友のように

バーニィは19歳。
当時のわたしは17歳だったので、年齢もそこそこ近いこともあって我がことのように、あるいは親友のようにバーニィに感情移入していました。

年齢だけでなく、アルにいい格好しようとモビルスーツを1機も撃墜していないのに4機墜としてもう1機でエース(5機撃墜でエース)だとウソをついたり、クリスと「バーニィ」「クリス」と愛称で呼び合うことを約束してアルを肩車しながら有頂天でクリスの家を走ってあとにしたり、いかにも自分もしそうな「普通」っぽさにも親近感を抱きました。

劣等感からウソをつき、好きな人との距離が縮まってウキウキする。
当時のわたしに、バーニィはあまりにも似ていました。
(いまのわたしは背伸びをしてウソをつくのもめんどうになり、きれいな女の人を目にしても『きれいだな……』と鈍く思うくらいで恋愛感情もかなりすり減っていますが)

他人とは思えないこの共感もあり、バーニィは昔も今も三本の指にはいる好きなアニメキャラクター男子であり(ほかの二人は『重戦機エルガイム』のダバ・マイロードと『装甲騎兵ボトムズ』のキリコ・キュービー)、ガンダムシリーズでは圧倒的なNo1キャラクターです。

ですから、「バラバラにふっとんじまってる、ミンチよりひでぇよ」(地球連邦軍兵士【声:大滝進矢】)というバーニィの死にざまは、若いわたしにはとてつもない衝撃でした。




小説版では生還するバーニィ

小説版では、死を悼む心からかバーニィは蘇生します。
以下、抜粋します。

                 ※
校庭にいるアルの後ろ姿を、学校脇に停めた自動車のなかからアルの母親(ミチコ・イズルハ)と父親(イームズ・イズルハ)が見つめている。
「オトナになったのかな、アルは」
OVAだと自宅で、アルが登校で家をあとにした直後にされる会話が、学校脇の自動車のなかでアルを見つめながらなされる。

父親は新聞に目を落とす。
夫が熱心に新聞に目を通しているので、なにか面白いことでもあるのかと訊ねる母親。

ジオンの核ミサイルがリボーコロニーをねらっていたことが噂になっており、その目標がコロニーに駐在していた連邦の新型モビルスーツを破壊しようとしたからではないかという記者の見解を語って聞かせる父親。

その記事はさらに、「クリスマスに連邦のモビルスーツと闘った、ジオンのザクについて言及」する。

つづけて父親と母親の会話。
「そのパイロットは、自分が連邦の新型を破壊しなければ、このコロニーが味方によって核攻撃されると知って、単身闘いを挑んだというんだ、つまり彼は、このコロニーを救おうとしていた、というんだな。自分が死んだときに備えて、ことの一部始終を納めたテープも、残してあったらしい。それをこの新聞社は入手したんだそうだ」
「まあ、ほんとなのかしら?」
「さあねえ。ま、詳しいことはそのうちわかるだろう。そのパイロット……」
新聞を折りたたみ、校庭のアルに目をやると、もう記事のことなどどうでもいいといった口調で、彼は付け足した。
「奇跡的に助かったらしい。今朝、意識を取り戻したそうだから……」

(小説版『ポケットの中の戦争』結城恭介 角川スニーカー文庫 P215~16抜粋)
                   ※

これは、バーニィには生きていてもらいたいという願望が反映しているのかもしれません。
しかし、作者みずからが、アニメでもしバーニィが蘇生したら蛇足でしかないし、一流の悲劇がまたたく間に三流のハッピーエンドに堕ちてしまう、このバーニィの蘇生はあくまで小説版限定のおはなしであることを、あとがきで強調しています。

あたりまえですが、やはり、バーニィは亡くなったのです。




バーニィの宇宙世紀0079年12月25日

バーニィはU.C.0079年12月25日が命日です。
時刻は、バーニィ最後の戦いである「クリスマス作戦」が午後2時ちょうどにはじまっているので、午後2時台だと思われます。

そして、わたしにとっては1989年8月30日。

戦争がなければ、生命のやりとりをすることは一生なかったであろう普通の青年が、そのとき、戦場で若い命を散らしたのです。



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