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エルメス……悲劇が付きまとうMA【ララァ・スン、クスコ・アル】(『機動戦士ガンダム』)


エルメス……悲劇、悲劇、悲劇

MAN-08 エルメスは、3機が試作されました。
エルメスは、一年戦争時代(U.C.0079)のニュータイプ専用MAです。

『機動戦士ガンダム 公式百科事典』(講談社、2001)からエルメスの項を抜粋してみます。


「なお、MAN-08は試作機が3機製作され、ララァ・スン少尉が搭乗したものは2号機であるという。
1号機は、パイロットが機体の要求するニュータイプ能力を有していなかったため、暴走したビットの攻撃で自爆したとされる(テスト中にも多数のビットが制御を失い、行方不明となったという)。
また、3号機はクスコ・アル少尉によって操縦され、実戦に投入されたというが、これは信憑性に欠けるといわざるを得ない。
この説によればクスコ・アル少尉はシャア・アズナブル大佐の指揮したニュータイプ部隊の一員であったことになっているが、その存在は確認されておらず、ララァ・スン少尉出撃前後の状況から見ても、実在は甚だ疑わしい」


クスコ・アル少尉は、小説版『機動戦士ガンダム』(著・富野喜幸(現在の富野由悠季))に登場したエルメスのパイロットです。
小説版設定ですので、アニメ作品を基準にする『ガンダム』の公式設定からは「信憑性に欠ける」とコメントされているわけです。

なお、クスコ・アルの搭乗したエルメスは、小説版だと2号機、MSV設定では3号機でした。
ララァの乗るエルメスが2号機というのはMSV設定です。
MSVでは1号機/ビットの攻撃で戦死したパイロット(名前不詳)、2号機/ララァ・スン、3号機/クスコ・アルということになります。

この3人、皆が皆、不幸な運命をたどることになります。




エルメス1号機のパイロット……不足していたニュータイプ能力

1号機のパイロットは、実戦でなく実験中に戦死しました。
ニュータイプ能力者ではありましたが、エルメスを制御できるほどの能力には恵まれず、本来なら自分の強力な武器になるはずのビットの攻撃を受けて亡くなりました。

なまじ、ニュータイプ能力があったがための悲劇と言えましょう。




ララァ・スン、クスコ・アル……エルメスでの戦死、性的な被害

ララァとクスコ・アルは、それぞれ、アニメ版と小説版を出自とするキャラクターですが、特徴的な共通点が2人にはあります。

まず一つ目、二人ともエルメスに搭乗して戦死しています。
相手は二人ともアムロ・レイ。
それぞれ、アニメ版のアムロと小説版のアムロに撃破されています。

二つ目。
ララァもクスコ・アルも、性的な被害者でした。
クスコ・アルは、連邦の兵士に性的暴行を受けた過去があるようです。

ララァは、インド地区の売春宿で生きるために身をひさいでいたといいます。
むろん、ララァが望んでの売春ではないでしょう。
孤児である貧しい少女のララァは、身をひさいで生計をたてなければならなかったのです。
ただ、ララァは売春宿にはいたものの、客を取る前にシャアによって救い出されたという説もあります。
また、公式であることを謳っている(とはいえ、本当に公式なのかは不明ですが)『GUNDAM FACT FILE No.1』(デアゴスティーニ、2004)では、「むやみやたらに客を取らされるようなことはなく、相応に自尊心を持てるような環境だったようだ」とのことです。
この文言はあいまいです。
「むやみやたらに」ではないものの「客を取らされ」てはいたとも読めますが、いかがでしょうか?
それとも、「むやみやたらに」客の相手をさせるようなひどい待遇は受けず、まったく「客を取らされるようなことはな」かったということなのでしょうか?
「相応に自尊心を持てるような環境」の「相応」の「自尊心」というのも、「相応」の程度があいまいで、まったく「客をとらされ」なかったので「自尊心を持て」たのか、「客を取らされ」たものの人数や性交の態様においてひどい条件ではなかったので「相応に自尊心を持て」たのか、いまひとつ不明です。

もし、「客を取らされ」ていたのであれば、そうひどい環境に置かれていなかったとはいえ、なにがしかの性的な被害は受けていると申してよろしいかもしれません。
そうであるなら、ララァとクスコ、二人のエルメスパイロットはその点でも共通点を有していることになります。

エルメスのパイロットには、深い悲劇の影がつきまとっています。




ゲームの中のエルメス……幻の4号機、幻のエルメスパイロット

エルメスは、アニメ作品、小説版のほかにもゲーム『SDガンダム GGENERATION』にも登場しています。
こちらではエルメスは4機。
1号機がララァ、2号機がクスコ・アル、3号機(白)がハマーン・カーン、4号機(赤)がセレイン・イクスペリ(ゲーム・オリジナルキャラクター)。
ただし、ゲーム作品ですので、公式の世界ではこの設定は「幻」ということになるでしょう。
「幻」の4号機。
「幻」のセレイン・イクスペリ。

ハマーンは、『ZZ』で第一次ネオ・ジオン抗争最終局面においてキュベレイを駆りジュドー・アーシタのZZガンダムと一騎打ち、その果てに戦死しました。
セレインは、ゲームの中で、グリプス戦役時、エゥーゴにMAテラ・スオーノを撃破されて戦死しています。
(ただし、セレインは選択によっては生還するシナリオの分岐あり)
やはり、エルメス搭乗経験者は、みな、最期は戦死する運命にあるのです。




エルメス

型式番号:MAN-08
タイプ :ニュータイプ専用試作型モビルアーマー
全長  :47.7m
全高  :85.4m
本体重量:163.7t
全備重量:291.8t
装甲材質:超硬スチール合金
開発基地:グラナダ
武装  :メガ粒子砲×2(防衛用)
     ビット×10(あるいは、×10前後、×12)(攻撃兵器)
異名  :ソロモンの亡霊
     チューリップ
     トンガリ帽子    



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