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ダマエ……嫁入りする娘のために奮闘し戦死したバッフクラン(『伝説巨神イデオン』)


ダマエ

『伝説巨神イデオン』(1980-81)のダマエをご存じでしょうか。

初老のバッフクランの軍人。
階級はゾウト(平民/足軽)。
慎重な男だったが、嫁入りする娘に少しでも楽な生活をさせたいとカララ救出のソロシップへの決死隊に志願。
ソロシップに突入したギジェとズダカの陽動隊として、ソロシップ船外でガダッカをあやつり奮闘するも爆死。




無名のダマエ

おそらく、第3話のみに登場するダマエのことは、かなりの『イデオン』マニアの方でもご存じないのではないでしょうか。
かくいうわたしも、『ラポートデラックス4 伝説巨神イデオン大事典』(ラポート/1982年発行)でその名を目にするまではまったく存じ上げておりませんでした。
かつ、この書籍以外でダマエのくわしい記述を目にしたことはありません。
あまつさえ、アニメムックの大名門である「ロマンアルバム・エクストラ」では、おなじく第3話にのみ登場し、いっしょにソロシップと戦ったズダカという青年と設定画が入れ替わっているのです。
それだけ、存在感の薄い人物ということなのでしょう。
じっさい、痩せた平凡な容姿をした初老の男子なのです。



英雄ダマエ

このダマエがわたしの琴線に触れたのは、「慎重派の男」であるにもかかわらず「嫁入りする娘のために、少しでも楽にしよう」と「決死隊に志願」し、戦死してしまったことです。
娘のために無理したすえに戦死してしまうというのは悲しいことですが、じっさいにどれだけの人が家族のためを想って無茶をし、そして不幸になっていったことでしょうか。
ダマエの志願動機に、わたしはおそろしいまでのリアリズムを感じてしまうのです。

おなじ富野作品の『機動戦士ガンダム』(1979-80)でも、ランバ・ラルは、「わしの出世は部下たちの生活の安定につながる」「お前(ハモン)のためでもある、ザビ家により近い生活ができる」と流れ星が流れる澄んだ星空のもと、中央アジアのタクラマカン砂漠で内縁の妻であるハモンにそう語りかけていました。
ダマエとランバ・ラルには共通した、「より良い生活のため」という戦う動機がありました。
そして、二人とも、その戦いのために亡くなりました。

悲しいことですが、家族思いがダマエに死をもたらしました。
しかし、そんなダマエを、わたしは英雄だと思うのです。
功成らず、名を遂(と)げることもありませんでしたが、家族のために見せた勇気はわたしには英雄以外のなにものでもありませんでした。




ダマエ 全セリフ

☆指揮官であるギジェが決死隊の志願者を前にして
ギジェ「ダマエ……慎重派のお前が、どうした?」
ダマエ「わたしもそろそろ体が効かなくなります。それに……」
ギジェ「そうか。嫁に行く娘さんのために、最後の一旗を挙げようというのだな? がんばってくれ」
ダマエ「はっ! ありがとうございます」

☆ソロシップ船外で陽動隊としてガダッカで奮闘して
ダマエ「こいつ!」

☆カービアン・クロッサスの機銃を受けて爆死するとき
ダマエ「うぉぉっ!」

(声優:戸谷公次【ダマエ】
    林一夫 【ギジェ・ザラル】)



『ラポートデラックス4 伝説巨神イデオン』の「人名事典」の【ダマエ】全文

(抜粋:『ラポートデラックス4 伝説巨神イデオン大事典』ラポート 1982年発行)

ダマエ(3話) 戸谷公次
ザラル家のゾウト。慎重派の男だったが、嫁入りする娘のために、少しでも生活を楽にしようと、ギジェの呼びかけるカララ救出の決死隊に至願(志願)した初考(初老)の男。ソロシップに突入したギジェとズダカの陽動隊として、船外でガタッカを操り奮闘したが、カービアン・クロッサスの機銃を受けて爆死してしまった。娘の名はミヤヤ。



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