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TAKARAファンタスティック映画祭【1985】(第1回東京国際ファンタスティック映画祭)……ホラー映画マニアの夢の宴


ファンタスティック映画祭の日本開催を熱望していた日本のファンたち

1985年は、日本がホラー映画に関して、欧米のホラー先進国にちょっとだけ追いついた年かもしれません。
日本のホラー映画ファン(あるいは、SF映画、ファンタジー映画ファンなども含めて)が待ちに待った、あるイベントが日本で行われたからです。

ファンタスティック映画祭。

ホラー映画を中心にしてファンタジー映画、SF映画などの祭典である海外のファンタスティック映画祭に、日本のマニアの人たちは羨望の目を向けてきました。
話題の最新作、あるいは定評のあるホラー映画などを、趣味を同じくする人たちとともにたっぷり鑑賞したいと願っていました。
1985年、それが日本でついに実現したのです。




「アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭」は日本のマニアたちの憧れだった

たとえば、「アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭」。
フランスにある標高約2000mの雪山のリゾート地を、映画祭の期間中、ホラー映画、ファンタジー映画、SF映画マニアたちが占拠し、「マニアのための王国」のような状況のなか、同好の士だけでファンタスティック映画の祭典を挙行していました。
集まってくる映画は話題性豊かな作品が多く、質もきわめて高いものでした(すべてではないですが)。
アヴォリアッツで賞をとり世界に飛翔していった映画人も、73年の第1回アヴォリアッツにおいて『激突』でグランプリを獲得したスピルバーグなど枚挙にいとまがありません。

そのファンタスティック映画祭が日本で初めて催されたのが1985年のことでした。
「TAKARAファンタスティック映画祭」です。




TAKARAファンタスティック映画祭(in 東京)……栃木から(勝手に)愛をこめて

1985年。
自分にとっては、もしかしたら、人生のなかでもっとも映画に熱狂していた年。
アニメと映画、この二つにどっぷりとつかっていた年。

中学生であったわたしは、映画雑誌をめくっては東京で行われようとしている、そして行われていた「第1回東京国際映画祭」のなかの一部門「TAKARAファンタスティック映画祭」(それと、「ヤングシネマ’85」で上映されたホラー映画『狼の血族』)に栃木の片すみから憧れの熱い視線を送っていたのでした。




「TAKARAファンタスティック映画祭」の会場は渋谷・東急文化会館内の渋谷パンテオン

「TAKARAファンタスティック映画祭」とそれを継いだ「東京国際ファンタスティック映画祭」は、1985年から2002年まで渋谷パンテオンで開催されていました。
そして、2003年から2005年まで場所を新宿ミラノ座に移し、2005年に東京国際ファンタスティック映画祭は幕を閉じます。

渋谷パンテオンは、渋谷駅東口に隣接する東急文化会館(2003年に閉業)の1階(地下1階、地上8階)にありました。
東急文化会館のなかには4つの劇場があり、そのなかでも渋谷パンテオンは1985年当時日本でもっとも大きくデラックスな劇場と言われていたそうです。

わたしは、東急文化会館の渋谷パンテオンが、TAKARAファンタスティック映画祭と東京国際ファンタスティック映画祭の開催劇場であることをつい最近(2020年の3月14日か15日)知りました。
中学生のころは渋谷にまったく関心などなく、ファンタスティック映画祭がやっているのは東京、という、ざっくりとした知識しかありませんでした。
たとえば興味津々の神保町なら、「なに! 古本屋の街の神保町でファンタスティック映画祭!」と激しく食いついていたのでしょうが。

このことを知ったとき、渋谷パンテオンの名を覚えていなかった自分の迂闊(うかつ)さを後悔しました。
東急文化会館と渋谷パンテオンは、かつて、自分にとってけっこう馴染みの場所だったのです。




渋谷の東急文化会館と渋谷パンテオンはそれなりに馴染みだったのだが

わたしは学生時代の6年間、大学に通うため栃木から上京して東京の西葛西に住んでいました。
このころ、記憶障害をわずらっておりまして、その療養のためにも西葛西周辺や電車で手軽に行ける各地を歩きに歩きまわるという生活を送っていました。
(内向的な性格なのに戸外を歩きまわる、自転車で走りまわるのが好きという理由もありましたが)
西葛西、葛西、神保町、高田馬場、新宿、大学周辺などとともに、渋谷の街もその一つでした。
90年代半ばのことです。

東急文化会館には大型書店(三省堂)がありまして、そこを目当てに良く行きました。
三省堂のフロアは5階でしたので、エスカレーターの横にあった渋谷パンテオン(1階)はしょっちゅう目にしていました。
しかし、ファンタスティック映画祭のことを思い出すことはありませんでした。
なにしろ、渋谷でファンタスティック映画祭が開催されていたことを知りません。
ましてや、渋谷パンテオンが会場だったことなどは。

あれだけ憧れたファンタスティック映画祭、とくに、映画少年バリバリであった85年の「TAKARAファンタスティック映画祭」の会場だと知っていれば、「ここが、あの、85年のファンタスティック映画祭の会場か」としみじみ感慨にひたっていたことでしょう。
しかし、つゆとも知らない自分は、映画の看板を目にしては「いまは、こんな映画を上映しているのか」くらいでさっさと上の階に上がっていってしまいました。




渋谷パンテオンでリュック・ベッソン監督作品『レオン』も観たのだが

映画鑑賞はレンタルビデオとTVがほとんどであまり映画館に行かない自分ですが、渋谷パンテオンで一度だけ映画を観ました。
『レオン』(日本公開は1995年3月25日~)です。
リュック・ベッソン監督作品ですが、そのリュック・ベッソンの初監督作品である『最後の戦い』はTAKARAファンタスティック映画祭招待作品の一つで、渋谷パンテオンで上映されました。
ファンタスティック映画祭の会場が渋谷パンテオンであることを知っていれば、リュック・ベッソン監督作品をゆかりのある渋谷パンテオンで観ることに懐旧の情を催していたことでしょう。

渋谷という場所柄、「やけに恋人づれが多いなあ、いや、うらやましくなんかないぞ(ちょっと、うらやましい)」などと心の中でつぶやいていることもなかったでしょう。
(それにしても、『レオン』は元恋人に裏切られて女性嫌いになったレオンが主人公、これを恋人と観て気まずくないのか?)




渋谷パンテオンと東急文化会館(他人にとってはどうでもいい)自分史

1985    「TAKARAファンタスティック映画祭」に栃木の片すみから憧れる
90年代半ば  頻繁に東急文化会館を訪れる
        頻繁に渋谷パンテオンの横を通り過ぎる
2020      渋谷パンテオンが「TAKARAファンタスティック映画祭」「東京国際ファンタスティック映画祭」の会場だということを知る




TAKARAファンタスティック映画祭全17作品

以下に、「TAKARAファンタスティック映画祭」(1985)上映の全17作品と上映スケジュールを紹介いたします。




TAKARAファンタスティック映画祭(1985)全ラインナップ

☆フェノミナ(1985、監督:ダリオ・アルジェント、出演:ジェニファー・コネリー、ダリア・ニコロディ、ドナルド・プレザンス、タンガ【チンパンジーの名優】)

☆ファイアー&アイス(1982、監督:ラルフ・バクシ、出演(声優):スーザン・ティレル、マギー・ロズウェル)

☆13日の金曜日Part5(1985、監督:ダニー・ステインマン、出演:ジョン・シェパード、シェイヴァー・ロス、メラニー・キンナマン)

☆蜀山(1983、監督:ハーク・ツィ、出演:ユンピョウ、リン・シンシャー、ジュディ・オング)

☆コールド・ルーム(1983、監督:ジェームズ・ディアデン、出演:アマンダ・ペイズ、ジョージ・シーガル)【アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭 審査員特別賞(1985)】

☆2つの頭脳を持つ男(1983、監督:カール・ライナー、出演:スティーヴ・マーティン、キャサリン・ターナー、デイヴィッド・ウォーナー)

☆レイザーバック(1984、監督:ラッセル・マルケイ、出演:グレゴリー・ハリスン、ジュディ・モリス、ビル・カー)

☆レディホーク(1985、監督:リチャード・ドナー、出演:マシュー・ブロデリック、ルトガー・ハウアー、ミシェル・ファイファー)

☆最後の戦い(1983、監督:リュック・ベッソン【デビュー作】、出演:ピエール・ジョリヴェ、ジャン・ブイーズ、ジャン・レノ)【アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭 審査員特別賞&批評家賞(1983)】

☆悪魔の密室(1983、監督:ディック・マース、出演:ハーブ・スターペル、ウィレケ・ヴァン・アメローイ)【アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭 グランプリ(1984)】

☆エルム街の悪夢(1984、監督:ウェス・クレイブン、出演:ヒーザー・ランゲンカンプ、ロバート・イングラム、ジョン・サクソン、ジョニー・デップ【俳優デビュー作】)【アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭 批評家賞(1985)】

☆ハウリング2(1985、監督:フィリップ・モラ、出演:クリストファー・リー、シビル・ダニング)

☆XYZマーダーズ(1985、監督:サム・ライミ、出演:リード・バーニー、シェリー・J・ウィルスン、ブルース・キャンベル)

☆山中傳奇(1979、監督:キン・フー、出演:シー・フン、シルヴィア・チェン、シン・チュン、ツン・リン)

☆デッドゾーン(1983、監督:デイヴィッド・クローネンバーグ、出演:クリストファー・ウォーケン、ブルック・アダムス、マーティン・シーン)【アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭 批評家賞(1984)】

☆銀河鉄道の夜(1985、監督:杉井ギサブロー、出演(声優):田中真弓、坂本千夏、堀絢子、一条みゆ希、島村佳江)

☆クリープショー(1982、監督:ジョージ・A・ロメロ、出演:ジョー・ヒル、ヴィヴェカ・リンドフォース、スティーブン・キング、レスリー・ニールセン、ハル・ホルブルック、E・G・マーシャル、トム・サヴィーニ)

【人名の表記は『SF/ホラー シティロード5月号増刊』(1985、エコー企画)を参考にいたしました】




TAKARAファンタスティック映画祭(1985) 上映スケジュール

●5/31(金)
開会式&フェノミナ

●6/1(土)
ファイアー&アイス
13日の金曜日Part5
蜀山
コールド・ルーム

【ファンタスティックナイト!(22:00~6:00)】
クリープショー
最後の戦い
エルム街の悪夢
デッドゾーン

●6/2(日)
2つの頭脳を持つ男
レイザーバック
レディホーク

●6/3(月)
最後の戦い
悪魔の密室
コールド・ルーム

●6/4(火)
ファイアー&アイス
エルム街の悪夢
ハウリング2

●6/5(水)
XYZマーダーズ
蜀山
山中傳奇

●6/6(木)
山中傳奇
XYZマーダーズ
デッドゾーン

●6/7(金)
レイザーバック
銀河鉄道の夜
閉会式&クリープショー

【『SF/ホラー シティロード5月号増刊』(1985、エコー企画)参照】

上映時間は、だいたい昼12時過ぎから夜9時くらいまで。
6月1日の土曜日だけはオールナイト上映が、夜10時から朝の6時くらいまで。

ちなみに、料金は1200円、オールナイトは2000円です。
たぶん1作品当たりの料金だと思われますが、詳細は不明です。




めくるめく夢……TAKARAファンタスティック映画祭

映画祭のあいだ、渋谷パンテオンは、世界でもっとも熱いホラー&SF&ファンタジー映画の中心でありましたでしょう。
世界でもトップクラスの話題のホラー&SF&ファンタジーな映画が、一週間、連日、惜しげもなく次から次へと上映されていたのですから。

めくるめく夢……中学生だったわたしは、栃木から熱に浮かされたように熱いまなざしを「TAKARAファンタスティック映画祭」に送っていました。



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